「歯石」という言葉・・・聞いたことのある人のほうが多いのではないでしょうか

歯石」とは、「プラーク(歯垢)」が時間をかけて石灰化(石の様に硬くなること)したものです。

 

歯石には2種類あり、歯ぐきの上方に付く「歯肉縁上歯石」(歯と同じ色)、歯ぐきの内側(歯周ポケット内)に付く「歯肉縁下歯石」(黒色)に分けられます。歯肉縁上歯石は、下の前歯の内側や上の奥歯の外側に付きやすいです。

 

「プラーク」とは細菌の塊で、歯ブラシで落とすことができます。

 

歯石自体は、直接炎症を起こすものではありません。しかし、歯石の表面はザラザラしているためプラークが付きやすくなります。さらに、その周りにも大量のプラークが付くことになります。歯石を見つけたら、たとえ見えなくても、周りにはものすごい量のプラークが付いていると考えてください。

 

この細菌の塊であるプラークが、お口の中のトラブルの元となります。プラークの細菌によって、歯ぐきが赤く腫れるなどの炎症を起こしたり、歯を支える骨を溶かし、歯を失う原因となる「歯周病」を引き起したりします。

 

歯周病によってお口の中ではこんな症状が・・・

・歯ぐきが赤く腫れる・歯ぐきから血、膿が出る・臭いがする・歯がグラグラする・歯が抜けるなど

その他にも・・・

・糖尿病・心臓病・脳卒中・腎疾患・肺炎・低体重出生児・早産など

様々な合併症を引き起こします。

 

歯石の中のプラークは歯ブラシでは取れないので、歯石ごと取らなくてはなりません。

さらに、歯石自体が歯肉を傷つけることもあり、その傷が潰瘍(粘膜や皮膚の表面が炎症を起こして崩れ、できた傷が深くえぐれたような状態)につながることもあります。

 

このような理由から、機械や器具を使って歯石を除去することは大切なのです。

 

歯石は歯周病を引き起こす大きな原因です。そのため、歯周病を予防するには定期的に歯石を取ることが大切です。歯肉縁上歯石は比較的簡単に取ることができます。しかし、歯石をため込みすぎると歯ぐきの炎症が強くなり、痛みを伴うことになってしまいます。

 

3か月くらいに1度は、定期健診で歯石を取ることをお勧めします。

 

by.N