公認スポーツ栄養士 上原 寛恵です。

 

今回は、管理栄養士として勤務している病院での実体験を踏まえて

 

新型コロナウイルス感染症とフレイル対策についてお伝えします。

 

 

 

出口の見えないコロナ禍ですが、年明けから次々と緊急事態宣言が発出され

 

たくさんの方が自粛生活を余儀なくされておられると思います。

 

特に高齢者への影響は顕著で、家に閉じこもることによる健康への悪影響が問題視されています。

 

私が勤務する整形外科病院でも、昨年末あたりから、その気配を感じています。

 

それがフレイルによる転倒にともなう骨折患者の増加です。

 

 

フレイルとは?

 

外出を控えすぎて、家で過ごすことが増え、動かなくなると

 

 上三角筋の委縮・筋力の低下

 

 上三角立ち上がり動作や歩行階段昇降などの日常生活の減少

 

 上三角精神面・心理的問題(認知機能障害・うつ)

 

このように体の力が弱くなり、外出する機会が減って、病気まではいかないけれど

 

手助けや介護が必要となってくる状態をフレイルと呼びます。

 

 

 

新型コロナウイルスによる自粛生活とフレイルの悪循環

 

自粛生活が長くなると、以前の生活以上に活動が減って筋力が低下が起こり

 

バランス障害や転倒・骨折をまねきます。

 

高齢者が一度骨折をすると、特に大腿骨頸部骨折や転子部骨折の場合、手術をしても

 

2週間以上、自力で動く事はできなくなるため、ますます筋肉量は減って筋力が低下します。


動かなくなると、食欲が減って、食べる量も減ります。

 

すると痩せてくるので、これまで使っていた義歯(入れ歯)がスカスカになって、食べにくいため

 

食事の拒否がはじまり、さらなる食事量の低下。

 

より一層、筋力低下を引き起こします。

 

 

フレイルにならない、フレイルを加速させない、栄養のポイント

 

新型コロナウイルス感染症の予防を行いながら、フレイルに注意しつつ、健康を現状維持するためには

 

栄養

 

運動

 

人とのつながり

 

の3つのポイントが大切です。

 

その中の栄養についてお伝えします。

 

健康な体作りの基本は、栄養バランスの良い食事があってこそです。

 

①十分なエネルギーのあるものを摂りましょう。

 

   ごはん・パン・麺類など。カルシウムやタンパク質を体の中で

 

   使えるようにするにはエネルギーが欠かせません。


②筋肉をつくるタンパク質を毎食1品以上食べましょう

 

   筋肉の材料になる、タンパク質ですが、高齢者(65歳以上)は

 

   フレイル予防のためにも少し多めに食べる事がポイントです。

 

 

 

 

 

③筋肉作りをサポートするビタミンDを食べましょう。

  日本人の食事摂取基準(2020年版)では1日の摂取の目安量は、65歳以上の男女ともに8.5㎍/日(耐容上限量 100μg/日)

 

  ビタミンDが多い食材 ・・・きのこ類 鮭 卵 いわし 鮭 乳製品

   

  ビタミンDは脂溶性(油に溶けやすい性質)なので、油と一緒に調理したり

  

  脂質を含む動物性食品から摂取したほうが吸収されやすいです。

 

  きのこ類でも炒め物や揚げ物にして、油と一緒に摂ることで吸収率を上げることができます。

 

  ビタミンDは紫外線を浴びることで皮膚でも作られますが、高齢者では皮膚でビタミンDが作る力が

 

  弱まることに加えて、外出自粛で外に出て紫外線を浴びる事が少なくなることもあって、

  

  意識して食事からビタミンDを摂ることが大切です。

 

④カルシウムを摂る

 カルシウムの吸収率は年を重ねる毎に下がります。

  

 そのため、カルシウムが不足しないように意識していきたいですね。

 

 カルシウムは骨の材料になるだけでなく、筋肉の動きにも関係する大切な栄養素です。

 

 1日3回、毎食摂る事が理想ですが、今より1回でも多く摂れる様に

 

 意識を変えていくことが大切です。

 

 

 【普段の食事に1品プラスでカルシウムを増やす方法】

 

 朝食:乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)をプラス

 

 昼食:ちりめんじゃこを常備する

 

 夕食:大豆製品(豆腐・納豆など)をプラス

 

タンパク質も一緒にとれるので、お勧めの食材です。

 

また、カルシウムの吸収率は食品によって違いがあり、一番吸収率の良い食品は乳製品です。

 

ビタミンDと一緒に摂る事で吸収率がアップします。

      

      【吸収率】

 

  チーズ   乳製品 40% 

 

  うお座 小魚   33

 

  クローバー    野菜   19

 

 

 

 

 

フレイル予防の食事は筋肉のもととなるタンパク質を中心に、さまざまな栄養素をバランス良く摂って

 

筋肉を減らさないように心がけましょう。

 

今後の新しい生活様式の中、要介護の状態に向かわないために、

 

心身ともに積極的に活動できるように取り組んで

 

このコロナ禍を乗り越えていきましょう。