いよいよSydney Marathon、42.195kmのスタートです。
前のランナーが動き始めたので、そのままついていくと……
いつの間にかスタートしていました。
うっかりしていると、スタートラインがどこだったのかわからないくらい、あっさりとした幕開けでした(笑)




序盤から続くアップダウン

序盤から坂道があるので、ペースは温存気味に入ります。
とはいっても、今回ひとつ困ったことが。

自分の今のレースペースが、どれくらいなのか全くわからない

真夏の日本では暑すぎてペースがつかめず、レースペースでの練習もしていませんでした。
そこで今回は、ペースだけにとらわれず、心拍数を見ながら走ることにしました。
登りでタイムが落ちるのは当たり前。
とにかくストライドを小さくして走る。
下りは飛ばしすぎない。
これを意識しながら進みます。

2kmでハーバーブリッジ

Sydney Marathonの見どころのひとつ、ハーバーブリッジはスタートして約2kmで現れます。
普段は走ることのできないエリアということもあり、あちこちで撮影会が始まっていました。
橋を渡ったと思ったら、次は登り坂からの下り坂。
きたきた(笑)

と思いながら、周りにつられず自分のペースで走ります。
その後はハーバーブリッジの下へ。

先ほど自分が走ってきた橋を下から見上げ、その壮大さを改めて感じます。




シドニーの街中に入ると、道幅が少し狭くなっているところもあり、ランナー同士の接触にも注意が必要でした。
そして、とにかく坂が多い。

小さなアップダウンが何度も続くのがSydney Marathonの特徴です。

一つひとつは走れても、それが繰り返されることで、じわじわと脚を削られていきます。

補給は予定通りに

レース中の補給は、事前に決めていたタイミングで摂りました。
10km・20km・30kmでエネルギージェル+スポーツドリンク。
15km・25kmで塩ジェル+スポーツドリンク。
給水所は5kmごとにあり、水かスポーツドリンクを摂ることができます。
ただ、私はすべての給水所に立ち寄らなくてもいいように、250mlのフラスコにドリンクを入れて持って走りました。
給水所はランナーが集中する場所。

人との接触も増えるので、転倒のリスクもあります。
また、給水所でもらう水分はかなりたっぷり入っていて、全部飲むと私には多い。
飲みすぎれば、途中でトイレに行きたくなる可能性もあります。
そんな時、手元に自分のドリンクがあれば、
「一口だけ飲みたい」
ができます。

ほんの一口でも、自分のタイミングで水分を摂れるのは大きい。
海外マラソンでも、これは持って走ってよかったもののひとつでした。

そして、道路にも注意

走っていて衝撃だったのが、所々に現れる道路のコンディション。
陥没、轍、道路鋲。

日本で経験しないような路面もありました。
さらにランナーが多いため、前方の路面が見えにくい。
少しでも油断すると、転んでしまいそうな状況です。
ただでさえ周囲のランナーとの接触を避けようと意識を向けているのに、足元にも気を配らなければならない。
そして25km。

集中力が切れた、ほんの一瞬でした。

まさかの転倒

左側から転倒し、膝と肩を打撲。
一瞬、頭をよぎったのは、

「骨折してないよね?」

立ち上がる時に痛みはありませんでした。
走れそうなので再び走り始めました。

脚を擦りむいていることは、走りながら確認できました。
ただ、ここでメディカルに寄ってしまったら、その後コースに復帰する自信がない。
痛みもなかったので、そのまま通過しました。

でも、身体以上に影響を受けたのが気持ち。
転倒した動揺でテンションが一気に下がり、ペースもダウン。

後続のランナーに次々と抜かれていきます。

転倒してから、景色の記憶がない

転倒するまでは、ハーバーブリッジを見たり、シドニーの街並みを楽しんだりしていました。
でも、25km以降の景色や応援は、ほとんど記憶にありません。

きっとたくさん応援してもらっていたはず。
ここでしか見られない景色もあったはず。
でも、
また転ばないように。
そのことばかり考えていました。

ただただ前を見て、残りの距離を走るだけ

30km地点。
「あと12km」
そう考えた瞬間、気が滅入りそうになりました。
だから、ゴールまでの距離を考えるのをやめました。

まずは35kmまで。そこまであと○km。
そこまで行ったら、また次。

残りの距離を細切れにして、一つずつ進んでいきました。

      笑う余裕はないけど、目線だけはしっかり

        25km 以降は下しか見てない

オペラハウスが見えているのに、遠い

そして、ゴールまであと2km。
ここで最後の坂が現れます。
オペラハウスも見えてきました。
もうゴールは近い。
わかっているのに、
そこからが、とにかく長い。

         オペラハウスが近いのに遠い

あと少し

ただ前へ進みました。

そして、ようやくゴールラインへ。
ゴールラインを踏んだ瞬間、

「やった!」

という喜びと

「ようやく歩ける……」
という疲労感が同時にきました。
真夏の日本で積み重ねてきたトレーニング
レース直前にできた足のマメ
そして、25kmでの転倒
いろいろありましたが、最後まで自分の脚で42.195kmを走り切りました。
Sydney Marathon、完走。
苦しい、苦しい42.195kmでした。
それでもまたひとつ。
Six Star Finisherに近づきました。