第2話 憧れのロンドンマラソンへ 出走権獲得と海外遠征準備
① ロンドンマラソンは“簡単に出られない大会”だった
ロンドンマラソンは、世界中のランナーが憧れる市民マラソンです。

沿道の応援は100万人以上。スタートからゴールまで世界遺産を眺めながら走れる華やかさ。
約6万人のランナーが世界中から集まり、街全体がお祭りのような空気に包まれる大会。
いつかは走ってみたい。
ずっとそう思っていました。
ただ、ロンドンマラソンは“出たいから出られる大会”ではありません。
一般抽選には毎年100万人以上が応募すると言われ、当選確率は1〜2%程度。
海外ランナーの枠はさらに狭く、“プラチナチケット”とも呼ばれるほどです。
そのため、私の中ではずっと
「憧れの大会」
ではあっても、
「本当に走れる大会」
ではありませんでした。
まず最初の壁は、“どうやって出走権を獲得するか” でした。
② ツアーを見つけた時の話
“どうやったらロンドンマラソンに出られるのか”
そこから、ひたすら情報収集が始まりました。
調べていく中で知ったのが、「ツアー枠」の存在です。
海外マラソンは、日本国内の大会のようにエントリーして終わりではなく、
出走権
航空券
ホテル
現地移動
全部がセットで動いていきます。
特にロンドンマラソンは、海外ランナー向けの出走権確保がかなり難しい大会。
私が問い合わせしたツアーも、すでに残席わずかでした。
“悩んでいる時間はない”
そんな状況。
でも、勢いだけで決められるほど簡単でもありませんでした。
言葉の壁。
実は1年ほど前から英会話を習っていたので、日常会話程度ならなんとかなりそう。最悪、スマホの翻訳もある。
ただ、不安だったのはそこじゃない。
海外マラソンは、以前にホノルルを走った経験があります。
でも、ロンドンは全く別。
まず土地勘がない。
しかも、ツアーのサポートがあるとはいえ、スタート会場付近まで。
最終的には、自分でスタート地点まで移動しなければいけません。
もし迷ったら?
スタートに遅れたら?
当日の天気は?
ロンドンは寒い?
何を持って走る?
預ける荷物は安全に保管される?
何時に起きる?
考え始めると、次から次へと不安が出てきました。
頭の中はずっとロンドンマラソン。
楽しみより、不安の方が大きかったかもしれません。
③ エントリーから決断まで
最終的に背中を押したのは、
「今やらなかったら、また先送りにする気がする」
その感覚でした。
もちろん簡単に決められたわけではありません。
仕事
子育て
家を空けること
費用
6年ぶりのフルマラソン
冷静に考えるほど、“本当に大丈夫?”しか出てこない。
でも、ロンドンマラソンのツアーは残席わずか。
迷っている間に終わるかもしれない。
そう思った時に、「行きたい」より「今しかない」
の方が大きくなりました。
エントリー手続きを進め、航空券やホテルの案内が届き始めた頃、急に現実感が出てきました。
本当にロンドン行くんだ…
まだ練習も始まったばかり。
走れる身体にも戻っていない。
なのに、先に海外遠征だけ決まっていく。
不思議な感覚でした。
でも、申し込みが完了した瞬間から
“夢”だったものが、“予定”に変わりました
④海外遠征準備スタート
エントリー後はとにかく準備。
まず気になったのは
「何を持って行けばいいの?」
ということでした。
海外旅行自体かなり久しぶり。
しかも今回は“旅行”ではなく、“マラソン遠征”。
絶対に忘れ物できない。
ウェア
シューズ
日本食
補食
マメ対策
モバイルバッテリー
変換プラグ
防寒対策
等々
気付けば、スマホのメモは持ち物リストだらけになっていました。
さらに気になるのが、ロンドンの天気。
調べるたびに
「昼間は過ごしやすい気温」
「雨が多い」
「朝晩は冷える」
情報がバラバラ。
日本の大会みたいに、“なんとなく分かる”が通用しない。
しかも、約6万人規模の世界大会。
スタート会場への移動も、日本の大会とはスケール感が違う。
トイレは?
荷物預けは?
スマホが繋がらなかったら?
考えれば考えるほど不安は増えていきました。
でも同時に、
“本当にロンドンマラソンへ行くんだ”
という実感も、少しずつ大きくなっていきました。

