お客様の「自分らしさ」を輝かせるお手伝いをするのが美容業。なかには、がん治療をされているお客様も少なくありません。治療に関連する悩みをお持ちのお客様に美容業としてどのようなケアを提供できるのか、考えたことがある方も多いのではないでしょうか?
先日、ANSEM講座『がん治療専門医・精神科医が教える 「美容業」が知っておきたいアピアランスケア』が開催されました。
アピアランスケアとは
医学的・整容的・心理社会的支援を用いて、外見の変化に起因するがん患者の苦痛を軽減するケア
(引用:「国立がん研究センター 中央病院」 https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/appearance/010/index.html )
がん治療専門医・精神科医の先生から直接お話がお伺いできる貴重な機会!たくさんの疑問を解決すべく受講してきましたので、さっそくレポートしていきたいと思います。
美容の役割は大きい
内容たっぷりのレジュメを前に背筋が伸びていたところ、「全部メモらなくて大丈夫です。何かひとつでも持ち帰ってもらえれば」と緊張感をほぐしてくださったのは講師を努められたANSEM顧問医師の永田明久先生。
今回は「参加型の時間にしましょう」と、メンチメーターなるものをご準備してくださっていました。スマホを使って匿名でアンケートに答えられるシステムで、送った内容がパソコンの共有画面に出てくる仕組み。たとえば先生が「アピアランスケアにどういった印象を持っていますか?」と質問すれば、画面には受講生から送信された「がん患者さんのケア」「むずかしそう」「美容の役割がある」などの答えが次々と表示されていきます。
画面を見ていると、うんうんと共感する回答や、なるほどそんな視点があるのかというような意外な回答も。自分枠におさまるのではなく、たくさんの考え方に触れることで、学ぶ内容がより広がると感じました。
講座では、
- 皮膚や爪の基礎知識と知っておくべき理由
- 抗がん剤などがん治療で見た目にどんな変化があらわれるのか
- ネイリストなどの美容業にできるケアの範囲
- 医師に報告すべき場合
- アピアランスケア向きの施術や材料 …etc
具体的に、わかりやすく解説してくださりました。
がん治療中のジェルネイルはNG?
特に印象的だったのは、先生がおっしゃっていた「その人の価値観を探る」ということです。
“自分らしい”の基準は人によってそれぞれ。すべての人が、爪を美しくしたいとご希望されているわけではありません。アピランスケアを受けて、そのお客様がどんな風に過ごしていきたいのかを施術者が察知する。施術者の価値観を押し付けてしまわないように、気をつけてほしいということでした。
また施術者は、お客様の病気の発見や治療の妨げになることは行ってはいけません。技術的に可能なアプローチであっても、お客様にご提供すべきがどうかは施術者がしっかりと判断すべきところ。コロナ禍にジェルネイルが医療現場で混乱をもたらすことが大きく問題になりましたが、施術者が知識を持っているかどうかは本当に重要だと思いました。
受講生からは、「意外と普段からお客様にしていたことに通じていた」「ネイリストとしてできることが多いと感じた」などの意見から、「トラブルが心配」「お客様に長く寄り添うことができるだろうか」といった感想も。
お客様が自分らしさを保てるようサポートをするのに、美容の役割は大きい。だからこそ、知識をつけ、自身が提供するサービスについて考えることが大切だと感じました。
なお今回の講座は、2024年度ANSEM個人会員の方は無料で受講可能となっていました。ANSEM個人会員になると、さまざまな特典を受けることができます。詳しくは、下記の記事もぜひチェックしてみてくださいね。
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