父は

レースを作る仕事をしていて

 

 

 

 

 

物心ついた時からすでに

私は360度、レース生地に囲まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

工場の中に

検反場、という

編み終わったレース生地に

不備が無いかチェックする現場があって

 

私はそこが大好きで

 

 

 

 

 

 

検反が終わって

天井までうず高く積み上げられた

レースの束に登って

いつも遊んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

私にとって

夢のような秘密基地。

 

そこで本を読むことが

私にとっての最高の遊びだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも。

 

 

 

 

 

 

 

どこかで身につけた

「女の子は不利」という気持ち。

 

 

 

 

 


 

シンデレラプロジェクトの

2次オーディションの時

Happyちゃんにその話をしたら

 

 

 

 

「どっかで、男っぽい方が得」って思った時があったんじゃない?と言われ

 

 

 

あー、まさに。

と思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「女の子はこうしなさい」

「ああしなさい」

「これやっちゃダメ」

「あれやっちゃダメ」

「女の子は普通、こうでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

母の「こうあるべき」論の

抑圧と強制と

呪いの言葉の中で

 

 

 

 

 

 

私は次第に

 

「男の子だったら良かったのにな」と

思い始めるようになっていった。

 

 

 

 

 

 

「女の子は、縛りがいっぱいあってつまらない」

「女の子は、しちゃいけないことばっかりで、つまらない」

 

 

 

 

 

 

 

その他にも「母親への復讐」が根強く私の中にあって

 

 

 

数年前に、肉体としての私と母は和解して

今はとっても仲がいいけれど

 

 

 

 

 

意識上では、呪いの鎖が解けていなかった。

私が、私自身に「それ」を許していなかった。

 

 

 

 

 

もう、女性らしくしても、いいんだよ、という許可。

可愛い格好してもいいんだよ、という許可。

 

 

 

 

 

 

 

 

4年前

カフェをやめた直後

Happyちゃんから

 

 

 

「あ、ぜきちゃん方向転換するなら今したほうがベストだよ」

 

 

 

 

 

「女の子らしいのが本当は好きでしょ?

 

多分それを押さえつけてるのが本質の自分との分離感産み出してて

 

 

その派生感情が苦しみだから

 

 

少しずつ、持ち物とか髪型とか服装とか

変えていくことをおススメするよー」

 

 

と、言われていたにも関わらず

 

 

 

 

表面的に受け止めて

「うんうん、そうだよね」と聞き流していた。

 

 

 

 

 

 

 

私はこれが好き!!

私はこのスタイルが良くてそうしてるの!!

私はメンズっぽい方が好き!!

かっこいいって言われる方が似合うの!!

 

 

 

 

 

 

 

だから今回

正直なところ

 

 

 

「可愛さ認めて愛されろ」という

コンセプトが発表された時

 

 

あー、絶対にここに入るな、と思った。

入れられるな、と思った。

 

そして本当にそうなった。

 

 

 

 

 

 

 

KEITAさんのショーに選ばれなかった気持ちよりも

姫にチャレンジすることのほうがもう、悶絶で

 

 

 

でももう

どこまでも後回しにして来たことだから

とにかく、逃げたくなくて

 

 

 

オエオエとときめき、両方を抱えたまま進むことに決めた。

 

 

 

 

 

 

 

カフェを辞めてから

一気に30kg太って

 

 

私だけが私を責めていた

 

 

 

周りはもちろん

パートナーJJでさえも

「今ここのあなたがあなただから、俺は何にも気にしてない」と

そう言ってくれているのに

 

 

全く受け取れない私がいて

拗ねている私がいて

 

私だけが私を責めていた

 

 

 

 

でも

これに出ると決めて

 

 

そして、時を同じくして

とてもいいトレーナーさんに出会い

全く運動したことのない私が

パーソナルトレーニングに通い始めて

 

 

 

そこに加えて

ずっとボディメンテナンスを担当してくれている

TOBIRAの顕子さんにも

今回のことや私の思い、全て伝えて

 

 

体に悪いところが発生してから直す「対処療法」から

体全体を整えて本来のパフォーマンスを引き出す「ボディメイク」へと移行した。

 

 

 

結果

こんな短期間で

ものすごく、体重が落ちた。

 

 

 

 

トレーニング開始後にしばらくやっていた食事制限も

途中から全て解放して

「本当に食べたいものを自分に問いかけて、好きな時に好きなもの食べる」を続けた結果

 

 

どんどん痩せていった。

マックもピザも寿司も食べてます。

 

 

私が私に許可を出す

私が私の一番の味方である

 

 

 

それを日々、やっていった結果。

 

 

 

 

15キロ近く痩せた。

 

 

でも痩せたことよりも

堅い殻に閉じこもっていた「わたし」という存在が

少しずつ、少しずつ、殻を破って外に飛び出そうとしている

そういう実感が日々、湧いて来ている。

 

 

 

 

 

 

今日のリハーサル

床をバミって、本当のステージの広さを作ってもらって

30メートルのランウェイを歩いた時

 

 

 

 

 

 

「この道は、棄てた私を迎えに行くための道だ」

 

 

 

 

 

 

そう、思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

長いこと、置き去りにしたままの私を

迎えに行く道。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Happyちゃんと4年ぶりの再会。

あの頃と変わらない、ほんっとに純粋なエネルギー。

姫ナインのみんな、出会ってくれてありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本番までラスト一週間♫

目一杯楽しんでヘルツ出して行くぞー♫