システム導入のスケジュールについて
◆システム導入までに想定しておくべきスケジュール
大きく分けて、「要件定義→設計→開発→検収→導入」の流れで各工程を完了させていくこととなります。
・要件定義
主に“どんなシステムにするか”を考える工程です。
要望や要件が多い、業務内容が明確になっていない等、まとめるのに時間がかかる状況であれば協議の時間を多く要します。目安としては、約1ヶ月間を基準にみておく必要があるでしょう。
・設計
画面の見え方を決める外部設計には、数週間から約1ヶ月間の期間を想定しておくとよいでしょう。ユーザーが一番目にすることが多い画面のため、見やすさや使い勝手を考慮して協議する必要があります。外部設計が完了すると、プログラムの構造を決める内部設計(=詳細設計)を行います。内部設計は、開発側が作業する工程です。
・開発
設計で決まった仕様の通りにプログラミングを行います。開発側のプログラマーが担う工程です。開発に要する期間は設計段階で目途を立てることになりますが、開発側の人員によって期間が左右されるかもしれません。
・テスト(検収)
各プログラムに不具合がないかをテストする単体テスト、プログラム同士の連携ができているかをテストする結合テスト、ユーザーの使用環境でテストする運用テストまで、不備なくできているか、各視点で検収を実施します。すべてのテストを通して1ヵ月半~2ヵ月間の期間を見込んでおくと良いでしょう。
◆開発手法に応じた期間の変動もある!
どの開発手法を取り入れるかによっても、スケジュールは変動します。一般的な開発手法は大きく分けてウォーターフォール型とアジャイル開発型で分かれます。
・ウォーターフォール型
前述した工程ごとに、ひとつの工程が完了次第、次工程へ進む流れで開発していく、もっとも一般的な開発手法です。ひとつの工程が完了してから次に進むことで全体的な流れを把握しやすく、スムーズに作業できるのが特徴で、進捗管理がしやすいといったメリットがあります。ひとつの工程が完了しない限り次工程には進めないため、要件が明確でないと完了までに時間を要することが想定されます。また、随時仕様や要件の変更が想定される案件の場合は不向きな開発手法といえるでしょう。
・アジャイル開発型
主に短期間で開発することを目的とする案件によく用いられる開発手法です。小さい範囲の工程を短期間で完了させ、それを繰り返し行うことで進めていきます。要望や要件が出た時点で修正や変更に対応しながら進めていくことができるメリットがありますが、本来目指すべきゴールまでのスケジュールが読みにくいことが想定されます。スケジュールを決めすぎずに明確にゴールを決めておくか、反対にあまり細かく仕様を決めずにスタートさせて柔軟に対応するか、を前提にできればアジャイル開発が向いている案件かもしれません。
導入したいシステムの規模がもっともスケジュールを左右しますが、開発手法によっても差が生じます。まずは、自社が導入したいシステムは、どのくらいの規模のものなのかを知ることが重要かもしれません。
反対に、●●年●月までに導入というように、予め期日が決まっている場合、期日までにどこまでのシステムが導入できるかを逆算していく必要があります。
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