日系何世と呼ばれる人たちが南米にいるのと同じで、
ベトナムには越僑と呼ばれる人たちが存在する。
越僑の定義は、
いわゆるベトナム戦争時に海外に逃れた難民の人たちとその子孫、あるいは統一後の社会主義政策に耐え切れず国外脱出したもの、
経済上の貧窮や外国人との結婚で国外に移住したものなど様々。
「非」常識的な見解だと、
田舎の人たちの中には外国人と結婚後に引き続きベトナムに住む者や、
海外旅行などで1度でもパスポートを持った人も越僑にあたるのだと、言ってた人がいた。
越僑は周囲から羨望の目で見られているケースが多い。彼らは海外の生活様式、文化水準、外貨経済を持ち、それでいて世界一優秀だと自称するベトナム人の血脈を受けついでいるからである。
そんな越僑の人たちが出資し中心となって活動しているボランティア団体がある。
うちの近所にある大きなお寺もそのひとつである。
広い敷地の越式のお寺の中には、病院や針治療、学校や公園があって、
その中の施設を利用するのはすべてタダである。
先生などは越僑のボランティアや坊さんが担当する。
ここでは病院で診察してもらったり、漢方をタダで分けてもらえるので、
貧しい人やそうでない人も列をなして、治療を受けている。
近くの診療所で買う300円くらいの薬草がこちらではタダ!!
中にはメルセデスのSクラスを寺に横付けして治療を受けているおっさん社長もいた。
なぜ金持ちがわざわざ数時間も並んでタダの診察を受けるのかと、坊さんの医者が聞いたところ、
おっさん社長は、
「普通の医者は人間の医者だから治らん。しかしお寺の医者なら仏さんのご加護を得ているから、神技があるだろう。だからワシはここしか信じないのだ」
と言っていた。
なるほど真理だね と感心したが、
金持ちだったらお布施くらい払っていけよ、と思う。
が、出費を減らしたいのは金があろうがなかろうが、
同じ心理なのだろう。
そして我が家の嫁もここに時々出かけ、ただで薬をもらっているのだから、
他人のことをとやかくは言えません。