初めから読む
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病院に到着してから、約30分後。ついに、母と再会した。エレベーターの前で車のドライバーさんと立っていた母は、私に気づくと表情を柔らかくして手を振った。
「アンリ、久しぶり」
久しぶりに見た母は、びっくりするくらい小さくなっていた。当たり前だ、食べ物はほとんど食べられていないと聞いている。あとは、心なしか顔つきも以前と違うような気がした。
でも、母はちゃんと自分の足で立っていて、普通に歩いていた。これが1番驚いたことと、嬉しかったことだ。
母とドライバーさんと3人でエレベーターに乗り込んで、下の階まで降りる。久しぶりすぎて、何を話せばいいのかわからなかった。
1階につくとドライバーさんは荷物を持ってスタコラ先に行ってしまった。多分、本当に「ドライバー」として雇われているのだろう。あまりに早歩きなので、母は「さすがに、こんなに早く歩くのはしんどいね」と苦笑いしていた。
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