初めから読む
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だから、リハビリしている時の母の様子だけで「自宅退院できる」と勝手に判断しているし、病状の説明をしても、自分の中で納得ができずに病院に電話をしてしまう。
別に、父が悪いと言っているだけではない。ただ、私の考えとは基本的に合わないことが、この1ヶ月間で浮き彫りになっただけだ。
「いくら元気っていったって、いきなり自宅は無理やから転院なんやろ…。多分、許可降りんと思うよ」
「だから、様子を見て自宅退院できそうなら、そうすればいいって」
「いや…。もういいわ。とりあえず、それお母さんには言わんとってや」
同じようなやり取りを10分以上続けたと思う。最終的に、「わかったって」と嫌そうな顔をしながら渋々納得してくれた。
どうやら、母の加入している保険は4ヶ月間までしかお金が受け取れないらしい。転院する場合はその期間が引き継がれてしまうけど、自宅退院を挟むことで期間をリセットできるのだとか。つまり、より長い期間お金を受け取れるようになるのだ。
その時点での入院期間は、約1ヶ月間。先生には、2〜3ヶ月くらいでリハビリ病院を退院できると思うと言われていたので、4ヶ月ならむしろ日数が余るくらいだ。
そのことを父に伝えて、やっと本当に納得してもらえた。まさか自宅退院させることを考えているとは思わなかったので、本当にびっくりした出来事だった。
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「母がくも膜下出血で倒れた日」を初めから読む
