続きです
小学4年生の夏
夜中に物音で目を覚ました
視線の先にある台所で
目にしたのは
父が炊飯ジャーを両手で振り上げ
そのまま床に叩きつけ
火花が散った場面
床一面に
割れた食器やグラス類が散乱していて
台所中がぐちゃぐちゃで
足の踏み場もない状態
その後
自分の割った何かの破片で
足を怪我したようで
台所につづく玄関の上がり口のところで
大の字になっている父の足の手当てを
母がしていた
起き出して声を掛けた私
(何と言ったのかは覚えていない)
「ともこ 酒持って来い!」
普段父は
晩酌で瓶ビールを1本飲むだけで
それまで酔ったところを
見た事がなかったのに
父は酔っていた
それを見た私がどう思ったのか
思い出せないので
それを言葉に出来ないんだけど
当時の私が
自分の気持ちを表現できるほどの
言葉は持ってなかったんだろうし
ただただ怖くて
ショックだったはず
最近になって
学生の頃の友達と
父が暴れてたって話しをしていたら
「暴れるってどうするの?」
と聞かれ
一瞬言葉に詰まった
大の大人が暴れるって
見たことのない人には
どういう事なのか
わからないって事が
この時わかった
むか~しのアニメ
巨人の星で
主人公 星飛雄馬のお父さんが
怒るとちゃぶ台をひっくり返す
と言う有名なシーンがある
これを部屋中でやる
倒せるものは全部なぎ倒し
投げられる物は
手当たり次第全部投げる
その後
めちゃくちゃになった部屋を
片付けたのは
いつも母と私だった
これも最近になって思った事
片付けんと
ほっといたったら良かった
あのままの状態で
ずーっと片付けなかったら
父もやめようと思ったかも・・・
って
そのまんまじゃ
生活できる状態じゃないんだけどね
それから父は
たびたび暴れるようになった
てん
anprima
本間朋子