Q&Aの4つ目の質問が来ましたのでご参考にしてください。

パブリカオーナーの方からの質問です。 「2Uって、いいオイル入れても2000kmも走ると粘度が落ちる気がします。あと黒くなるのも早い気がします。現代車って普通の鉱物油で1年1万キロくらい大丈夫ですよね・・・」との質問です。

 

Q : 2Uエンジンはオイルが早く劣化し汚れるのも早い?

A : オーバークールがオイル劣化の一番の原因と考えられます。 ・・・ってなんで?

 

オイルについてはプロもいますし、NETでも書かれているので、そちらをご参考に。ここでは2Uのオイル劣化について書きますね。 あと、性能のよいオイルほど黒くなるのは早いです。最近はそんなオイルありませんが昔の如何わしいオイルは、綺麗な状態がけっこう持続しましたね。

 

水冷エンジン車は水温を90度前後に一定になるように制御しています。内部のオイル温度もほぼ一定(だいたい85~110度くらい)になります。 

2Uは空冷、簡単に言えば制御してません。 過酷状況でオーバーヒートにならない位の放熱能力になっているだけです。  このため、ほとんどの走行状態でオーバークールです。 オイルが一番長持ちする90℃くらいになほとんどなりません(まあタマにはなりますが)。 

私のヨタは先月末の明け方でしたが、フロントのシャッター閉めて第2東名を百数十キロで巡行しても油温は70~80℃でした。

 

ガソリンエンジンは燃焼すると様々な排出物を産みます。 その中でエンジンオイルに厄介なのは水(H2O)です。 排気に手をやると湿気を感じます。結構な量です。

現代車が急加速などしたとき、マフラーから多量の水を吹き出すのを見ると思います。 あれ、雨水が入ったんじゃなく、ガソリンの燃焼によって生成された水が溜まったものです。

 

この水、エンジン内でもブローバイガスとしてクランクケースに排出され、オイルに混ざっていきます。 オイルが劣化してくると劣化部分はさらに水が混ざりやすくなります(乳化って言います)。 水分が混ざったオイルはさらに劣化を加速させます。 

もしオイルの温度が90℃~100℃程度に一定であれば、混ざった水分はすぐ蒸発しますが、80℃以下では水分の蒸発は望むべくもありません。

これが2Uのエンジンオイルが早く劣化する一番の理由です。 

また、オーバークール状態なので、低回転や低回転での高負荷時などに、くすぶりやすい(カーボンが発生しやすい)のもオイルがすぐ黒くなる理由の一つです。 プラグがきつね色で良い燃焼しているエンジンでも低回転高負荷等では燻っています。 負のスパイラルですね。

 

10年以上前に、シュラウドの丸い入口をぴったり塞ぐようにアルミ板でスライド式のシャッターを作ったことがあります。とにかくオイルの温度が100℃くらいに上がるようにした実験をしました。 ただ、めんどくさくなって1000km程でやめてしまいましたが、明らかにオイル劣化は少なかったです。 黒くなる程度も少なかったです。 その時はこれなら5000kmくらいまで大丈夫だな~って思いました。 


でも、まあ自家用車で希少な空冷エンジンです。 

水分への耐力は高性能な全化学合成油も普通の鉱物油も、差はあるものの大差ではありません。 普通の価格のオイルを3000kmか半年間隔くらいでマメに替えて維持するのが一番良いですね。