前回書いた「2Uエンジンの中のオイル状態」の続きです。

2Uエンジンには、ドレンボルトやオイルレベルケージ穴からの吸引では、オイルが絶対に抜けない部分があります。 それも結構な量です。 

この図の「カムギヤの室」の中のオイルです。

エンジンが回転している時は、カムシャフトやクランクシャフトへのオイルポンプからのオイル供給によって、カムギヤの上の部分くらいまでオイルは入ります。

実は、エンジン停止後、数日間ではこのオイルはほとんど減らないのです。

理由は下の写真、 

カムシャフトとクランクシャフトを外したクランクケースをカムギヤ側から見ています。

緑色線両側の小さい穴の高さ(カムギヤの上の高さ)まで、クランクケースとつながった穴が全くありません。 つまりここって、この緑線の高さまで溜まりっぱなしなのです。

だいたい数日間隔で車に乗る人の場合、停車時のこの室のオイルレベル平均は、青ラインくらいになるようです。

1週間~10日ぐらいたてば、カムシャフト穴の下くらいまで減りますが、それでも結構な量が残ります。 そこからは、いくら待っても減りません。 穴が全く無いですからね。

 

オイル交換の際に、ドレンボルト外しと、吸引パイプも使ってできるだけ抜いて、フィルターケースも洗ったけど、オイルがすぐ黒っぽくなってしまう気がする・・・というのは、ここに残った古いオイルのせいもあります。

 
特に注意は強いフラッシング剤です。 そう!ここに残ってしまうのです。 もしどうしてもフラッシングしたいなら、遅効果型(フラッシング剤を入れたまましばらく走るタイプ)を使いましょう。
これなら残っても大丈夫ですね。 ちなみに市販の缶入りのフラッシング剤は結構強力です。気をつけましょう。
基本的には2Uは、フラッシングなんてするより、マメなオイル交換が有効です。
オイルにもカーボン拡散剤という添加剤が入っていますからね。