クランクケースのオイルの話の続きです。

2U/U型エンジンの中のオイルは、エンジン回転中も穏やかです。

と書きました。

この写真はフライホイール側から見たクランクケースです。フライホイールは外してあります。

青い円がクランクシャフトの回転最外周、緑の円がカムシャフトの回転最外周です。

で、赤い線がオイルがめいっぱい入った状態の油面です。 レベルゲージを取り付け状態の高さに当てて写真を撮りました。   ね、どこにも浸かってないでしょ。

さらに、エンジン回転中は、オイルポンプでこのオイル溜まりから吸われるので、油面はもっと下がります。

なのでエンジン内のオイルは静かです。       

次に・・・・・

皆さんが良く知ってる図に色を付けてみました。

赤がクランクケース、青がカムギヤカバー、紺色がストレーナ(金網)です。

緑の線がオイルの最高油面です。

つまり2Uエンジンはエンジン回転部による直接のオイル飛散はしていません。 

ほとんどがオイルポンプの圧送油と、それらのエンジン回転によるオイルミスト(霧状油)で行っています。

 

なので、どこかで金属の破片が発生しても、このオイル溜まりにポトンと落ち、沈んでいって下にたまります。 図の紺色がストレーナ(金網)ですが、この中のオイルをオイルポンプ吸引パイプを通してオイルポンプは吸っています。 金網越しなのでオイルの動きもゆっくりです。 お風呂の栓を抜いたよりちょっとましくらいなイメージです。 落ちた金属破片や大きなスラッジ塊がストレーナ(金網)の目より大きければ当然ですが、小さいものでも多くの場合エンジンの寿命まで静かに底に寝た状態になっているのです。

これがドレンボルトにマグネットなんてつけないほうが良い理由です。

あえてオイルポンプ吸引パイプの下に鉄粉を呼び寄せて、わざわざオイルポンプに吸わせる必要はないですよね。

 

あと「カムギヤが回っていてオイル掻き回してるんじゃない?」と思われるかもしれません。

ところが、上図の「カムギヤの室」はクランクケースの室とは完全に分離されています。

このため、カムギヤはオイルの掻き回しにほとんど貢献していないのです。

それだけでなくて・・・・ 続きは次回!