おや・・・セルモーターが壊れたのかな?と思ったら・・・
・・・まずターターが生きているか、死んでいるかのチェック(テスターが無い場合)をしましょう。
用意するものは、わに口クリップの付いているコードか、無い場合はラジオペンチ。

手順
1.ソレノイドスイッチ(この写真の丸い筒状のものがソレノイドスイッチです)の後ろのファストンタブ(平型のコネクタ)を抜きます。
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2.わに口クリップ付きコードがあるときはその端子に、わに口クリップを挟みます
3.わに口クリップ付きコードの、もう一端を すぐそばにあるネジの、バッテリーの+から太いコードでつながっているネジに接触させます(勿論バッテリーはつなぎっぱなしで行ないます ショートに気を付けましょう)。
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4.わに口クリップ付きコードが無い場合、上記2.3.の間をラジオペンチの足で短絡させる方法があります。少し火花が散るので慌てたりしないよう注意して行なってください。 こんなかんじです・・・
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で・・・こんな症状と診断です。

①カチンと大きな音がしてセルモーターが回ればセルモーターユニットは正常です。
  IGスイッチを回してもウンともスンとも言わない場合は、車内配線もしくはIGスイッチ周りの不良が考えられます。

②何の音もせず、何の変化もなし、セルモーターも回らないとき
  ソレノイドスイッチのコイルの断線等の不具合が考えられます。
※ 正常セルモーターユニットでも再発した場合、コイルに電流が長期間流れ続け、コイルが焼損断線した恐れがあります。すぐにバッテリー端子を外しましょう。 ソレノイドスイッチの点検/修理が必要です。

③何の音もせず、何の変化も無いが、ネジに接触させるたびに大きな火花が散る。
  ソレノイドスイッチの配線のショートが考えられます。
※ 再装着の正常セルモーターユニットでも再発した場合、コイルに電流が長期間流れ続け、コイルが焼損ショーとした恐れがあります。すぐにバッテリー端子を外しましょう。 ソレノイドスイッチの点検/修理が必要です。

④カチンと大きな音がするが、セルモーターが回らない
  モーター部の故障、ソレノイドスイッチのスイッチ部の焼損、もしくはピニオン飛び出し機構の不具合が考えられます。 モーターの点検/修理、ソレノイドスイッチの点検/修理、ピニオン飛び出しの点検/調整が必要です。

⑤カチンと音はしなかったが、セルモーターは回った(回ろうとした)
  ソレノイドスイッチの機械的な動作不良、もしくはピニオン飛び出し動作の不具合が考えられます。
  モーターの点検、ソレノイドスイッチの点検/修理、ピニオン飛び出しの点検/調整が必要です。

⑥カチンと小さな音がして、セルモーターは回った
  ソレノイドスイッチの機械的な動作不良、もしくはピニオン飛び出し動作の不具合が考えられます。
※ 再装着の正常セルモーターユニットでも再発した場合、コイルに電流が長期間流れ続け、コイルが劣化した恐れがあります。すぐにバッテリー端子を外してください。 ソレノイドスイッチの点検/修理、ピニオン飛び出しの点検/調整が必要です。

⑦カチンと小さな音はしたが、セルモーターは回らない
  ソレノイドスイッチの機械的な動作不良、もしくはピニオン飛び出し動作の不具合が考えられます。
※ 再装着の正常セルモーターユニットでも再発した場合、コイルに電流が長期間流れ続け、コイルが劣化した恐れがあります。すぐにバッテリー端子を外してください。 ソレノイドスイッチの点検/修理、ピニオン飛び出しの点検/調整が必要です。
 
上記の説明の説明・・・
ピニオンの飛び出し動作の不具合について
ピニオンを飛び出させているのは、このソレノイドスイッチです。
ソレノイドスイッチから出ている右の軸(フックがついている部分)が、IGスイッチオンで左に縮みます。
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この軸の左側には(黒いプラスチックの部分の中)大きな銅の板がついています。
バッテリーの+端子と太い配線で繋がっているネジと、セルモーターの+配線側とつながっているネジとを
この黒い部分の中で、この銅の板がショートさせて電流を流し、セルモーターが回ります。
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上の写真のニョロット飛び出ているのが、セルモーターの+配線です。普段はソレノイドコイルの黒いプラスチックの部分の、モーターに近いネジにつながっています。

ソレノイドスイッチのフックは、写真の右端の部分(奥に見えるU字型の針金)を上記のフックで引っ張ります。
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すると、左の写真から右の写真の様にピニオンが飛び出してきます。
この飛び出したピニオンがフライホイールのリングギヤに噛み込んでフライホイールを回してエンジンを始動させます。

カチンと音がするのは、ソレノイドスイッチがピニオンを飛び出させると同時に、銅の板を接点に素早く強く押し付けるときに発生する音です。
このピニオンがリングギヤに引っかかったりして、飛び出しが悪かったりすると、銅の接点がONにならず、カチンと音はすれどもモーターは回らないっていう症状になります。

もともと単純な配線経路なので、電流が少しずつ流れ続けるようなことは起こりにくいのですが、水分の侵入や、
IGスイッチに市販のリレーなどをかましている場合では、配線間違い等があると、あり得るかもしれません。

あと、ソレノイドスイッチの、コイルの抵抗は写真の2つの測定位置で0.4オーム前後です。
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実は、これはコイルの全抵抗ではありません。 プルイン側と言ってモーターのプラス端子とつながっているコイルの端とコイルの中間点との抵抗です。 ホールディング側の抵抗は1.1Ωです。 きちんと点検するには8Vくらいの電圧を作り出してホールド出来るかを確認するのですが、めんどくさいので、0.4Ωが測れて、動けばOKでいきましょう。

注意!
バッテリーつながったままでいろんなテストを行ないますので、大きな音や振動や火花に驚かないように、落ち着いて行ってくださいね。