ほぼ一日作業ができる日が、できたので、エンジン造りの続きをします。
とはいってもやることは掃除、掃除、掃除 ・・・ 長年の汚れを頑張って落とします。
一番外側の泥汚れを洗剤と高圧洗浄機で落とします。 ちょっと強いアルカリ系洗剤をまんべんなく振りかけて、30分、もう一度振りかけてまた20分、最後に高圧洗浄機で飛ばします。
これ以上アルカリ分に漬けておくとアルミの艶がなくなるので、このくらいが限度です。
・・・あれ・・・かなり落ちたけど・・・あまり綺麗にならないな。
次はスチームで攻撃です ・・・ シュシュシュシュ・・・ あれれあんまり落ちないな・・・
かなり固着がひどいです。 こうなったらスクレーパーと銅ワイヤーブラシで剥すしかありません。
カリカリ、ごしごし・・・・・・・かなり疲れてきました。 もう4時間もやってます。 結局一日掃除で終わりましたが、まだ だいぶん残ってます。 全身真っ黒です。 何でこんなI落ちないんだろう・・・
もしかしたら ・・・ ア~解りました! 塗料です。何と泥汚れと塗料が混じった塊になっています。きっとシャーシブラック! ようし、シャーシブラックならシンナーだ! あれ、溶けない・・・なんとウレタン塗料です。
ミニエースではよくあるのですが、汚れた上からブラックを塗って、また汚れてブラックを塗ってを車検のたびに繰り返し、とんでもないことになったようです。 でもきちんとメンテナンスされていた証拠です。 期待しましょう!
ンム~~~ こりゃ、どうせ完全分解するのだから、クランクケース単体にして掃除しよう!
ということで分解です。ついでに状態確認と測定をしていきます。
シェラウドはずし、フライホイールも外しましょ。 ロッカーアームも外して・・・
写真を見るとわかると思いますが、クラッチフェーシングがほとんど摩耗していません。
この面だと、走行距離は1万キロくらいの状態です。 期待・期待・・・
シリンダーも外します
シリンダーも摩耗はほとんど無しです。
手で触っても段差を感じません。 シリンダーゲージで測定しても、もほとんど摩耗が認められないです。
ピストンはヒートガンで触れないくらいまで良くあっためて、
ピストンピンを抜きます。 写真は次回に掲載しますね。
このエンジンの一番弱い部品は、コンロッドです。
笑っちゃうくらい、横からの力に弱いです。
無理にピストンピンを抜くと必ずゆがみます。
分解済みのコンロッドで歪んでない物に、お目にかかったことがありません。 相当慎重に行います。 そして必ずピストンピン抜きを使います。 なんて言っても、そんなもん持っていいないので、ボルトと木材で自作したものです。 木材が一番良いです。ピストンに傷がつきません。
ピストンを外して、コンロッドを外します。 ここで摩耗度合いを見ておきましょう。
お~ 全くといってよいほど摩耗していません!
49.995mm ウッソみたい・・・
ピン表面も今まで見た中で一番きれいです。条痕一本もありません。 こりゃ、あたりだ!
写真を見てもらうとわかると思います
クランクシャフトの穴の中から出てくるオイルは綺麗な色をしています。スラッジは全く無しです。
いいエンジンに当たりましたね、オーナーさん!
コンロッドメタルは・・・ 傷一つ無し
最高の状態です。
これが私のエンジンなら、そのまま組みなおして、そのまま使います。
ここまできちんと綺麗にメタルとクランクピンの当たりが出ている状態は、滅多にありませんから・・・
でも今回は交換しますね。
どうせクランクピン表面は新品同様なので、大丈夫です! くみ上げ直後に、アイドリング運転を5時間もすれば、このようなきれいな面は作れます。
この続き、また! 次回をお楽しみに!