私のヨタハチ、純正の赤シートです。 

座面も破れや切れがひどく、修理しなきゃ~な~、なんて思ってましたが、最近さらにひどくなりました。

大小合わせると10カ所以上裂けてます。 

 

シート表面に6本の化粧溝がありますが、一番右の溝から15cm、10cm、3cmほどの長さで3カ所パックリ裂けてます。

その他にも大小1~2cmの横切があり、下の生地やスポンジが見えてしまっています。

私の免許返納(笑)までは、何としてもこのまま純正で使いたいので、どうせ暑くて乗れないので修理することとしました。

 

表面色も、長年の光線暴露と使用で変色してしまっています。

ただ、シートフレームに収まっている下面部分は、光にさらされず奇跡的に何とか色が残っています。

でも、この色も、どの程度退色(変色)が進んでいるかは不明でした。

 

修理は、破れた塩ビシート裏面をきれいに洗浄して、裂けた裏に延びのない布生地を当てて接着するところから始めます。

この時、裂けた面を少し重ねるように閉じて接着します。 今回は布生地はデニムを用いました。

裏面から広い範囲で接着しているので、布生地の力で裂け面は開かなくなります。

こんな感じです。 

次にこの重ねた部分を元の形状にならって、コテで熱して、溶着と、成形の加工をしていきます。

こんな感じで進めます。写真は樹脂を追加しながら溶着しています。追加樹脂はボロボロになって使えなくなった予備の純正赤シートの生地を切ったものです。

 

最初は溶かして裂け目をくっ付けることを優先します。

一応溝を作りながらですが、最初は、とにかくきちんと厚みを保って溶かし付けるのでガタガタです。 

形を整えるのは、この工程が終わった後です。地味~な作業が延々続きます。

 

実はこの時・・・

熱を加えて溶かしただけで鮮やかな赤い色に変化することは、前から気が付いていました。 

これは劣化した表層と内部の劣化していない部分が溶け合って、中の顔料(色の基)が再拡散するからです。

 

ん・・・もしかして

てことは、この色が純正に近い色では??!・・・

なら劣化が進んでいない下面部分は、溶かした部分と溶かしてない部分で色変化が少ないはず・・・

もし変化が少なければ純正色に酷似(少しは劣化してるので完全一致ではないけど)って事だよね・・・

さっそく座面下面(光に当たっていない部分)の色劣化があまり進んでいないと思われる部分に熱を加えてみました。

 

結果は・・・溶かした部分と溶けてない部分を比較すると若干鮮やかになる程度の変化でした。でも、表の溶かしたところ(写真の溝部分)よりも鮮やかです。

「これって、理論的には、ほぼ純正の新品時の色ってことだよねぇ!!!!!」・・・

「この変化の差の若干鮮やか側に振ったところが純正色ってことだ!!!」と一人で大はしゃぎ。

長年カラープリンター開発の仕事に携わっていてよかった~ と自分で自分を褒めました。

 

ふと我に返って・・・

ン、この色見たことがある。と思い我が家に大量にストックしている塩ビシート端切れを探すと・・・・

ありました!!! ほぼ同じ色! 下面を溶かした部分より若干鮮やかで、ほぼ同じ色です。

 

実は、これって家内が「この色、シートの裏の色に似てない?」って買ってきてくれていた端切れでした。

 

ジャーン! これが下面の色と端切れの色比較です。

端切れ(巻いてある生地)は、写真では、わかりにくいですが、下面の色よりも若干鮮やかな色です。

でも、溶かした部分とは酷似しています(ほんの僅かですが鮮やかです)。

 

ちなみに表は


これくらい色あせてます。

 

今、この端切れの正式な型番を問合せ中です。 

ワクワク・・・

 

そして修理作業は完成!

まあこんなもんでしょ。

スポンジもヘタった部分を直して組み込んで完成です。

まあ、暑くてしばらくは乗らないとは思いますが・・・

 

では!!

 

注意:写真が悪引用されるのは嫌なので、投稿の写真の色は変化させて載せてます。

生地番号がわかったら、一部の人だけの得にならないよう、皆さんに一斉にお伝えしますね。

しばらく更新が無いって、叱られてしまいました。

暑いですね・・・言いたく無いけど暑いっす。なんにもやる気なくなりますね。

 

なので小ネタを一つ。

ヨタハチのセンダゲージって3つあります。

油温計センダゲージ、油圧計センダゲージ、それと燃料計センダゲージです。

パブリカ、ミニエースはセンダゲージではなく油圧スイッチの車種もありますね。

 

そのコネクターって・・・これですよね

ちなみに写真は、パブリカの燃料計センダゲージのコネクターです。

これ、我が家にいらっしゃる車は、結構壊れてたり、ユルユルだったり、ヒビ入ってたり・・・

特にエンジン回りのコネクターは壊れてるの多いです。

 

でも共販から出ないですよね・・・

なので、現行品の市販コネクタを追加工して作成し、ストックしてます。

ストックなくなったので涼しい部屋で作りました。

市販のコネクターです。 

これのロック爪をニッパーでカットして・・・

すいませんロック爪のニッパー切り落とし写真撮り忘れました。あっという間なので・・・

中央に純正をまねてルーターで溝を掘ります。 簡単です。少々溝の形が悪くても大丈夫です。

2つできました。 

ハウジングのロック爪を切り落として溝作れば、ハウジングも端子も形状は純正とほぼ一緒なんです。

コネクターの機能としては、写真一番下の真鍮製の端子のみで完結するので、

この黒カバーは絶縁カバーのみの役割となります。なので溝はセンダゲージの端子が入ればよい程度の易加工です。

 

写真右上のタブ端子(オス端子)とハウジングは使いません。 

これがいっぱい増えていきますが・・・貧乏性なので捨てられません・・・いくつあるんだろう・・・

写真上の油温センダゲージで装着テストして完了です。

配線との圧着(配線をカシメる)は、車両側の配線の長さを確認してからとなります。

市販品なので安いですね。モノタロウで300円くらいだったかな・・・オス端子余るし・・・

皆さん、体調に気を付けて夏を乗り切りましょう。

では!

 

しばらくブログの更新をしてませんでした。

私的にちょっと忙しかったです。旅行にも行ってたし・・・・

 

昨年末からの、車関係で行った作業で、変わったのだけ概要を並べてみることにします。

皆さんが興味ありそうなのがあったら連絡ください。

・・・そんな人はいないか(笑)  では・・・

 

1.燃焼ヒーターのオーバーホールと取り付け

概要:不動放置の燃焼ヒーターをOH、欠品部品の作成、車への取り付け、割れたファンの補強

所用時間:実質4時間ぐらい・・・洗剤漬け置きや乾燥などの時間は除く

 

2.ロータスエランのタコ、スピードメーター修理

概要:不動不具合部の分解修理、オドの機構部が破損してたので部品作成、タコは回路各部メンテしました。

所用時間:実質3時間ぐらい・・・ランニング時間は除く

 

3.ジェコーの時計修理(古いランクル用?)

概要:分解修理、回路メンテ、モーターのローター破損を発見、ローター再生と各部メンテしました。

所用時間:実質3時間ぐらい・・・ランニング時間は除く

 

4.ヨタハチ搭載のパブリカエンジンに油温計搭載

概要:訳あってエンジン車両搭載状態でクランクケースに穴あけ、ネジ切、油温計搭載、油温配線の捜索と作成

所要時間:実質4時間くらい(車両受取日内に終了)

 

5.パーキングブレーキワイヤーのアダプター製作

概要:補給品パーキングブレーキワイヤーを初期のヨタハチに装着時に長すぎて調整代が無くなるのをアダプター製作(旋盤加工)で解決

所要時間:実質2時間くらい

 

6.ロアーボールジョイントの再生と取り付け

概要:ガタが大きくなったロアーボールジョイントを簡易再生してガタをなくして再装着

所要時間:実質3時間くらい・・ガタが大きいボールジョイント修正は慎重に行うため時間がかかる・金はかからない(笑)

 

7.ヨタハチ純正ウオッシャーポンプの再生

概要:錆びて朽ちる寸前のヨタハチ純正のウオッシャーポンプ(透明プラユニット)の再生

所要時間:実質4時間くらい・・・錆びて朽ちたモーターケースの再生と、ローターのエナメル線巻きなおしがつらい(笑)

 

8.FCRキャブ用に買った中国製燃料圧力レギュレーターの信頼性アップ

概要:ヨタハチ用機械式燃料ポンプやミツバ電磁ポンプでは燃圧が高すぎてオーバーフローぎみになるFCR39キャブ用に、中国製安価な燃圧レギュレータを購入し、それを高信頼性品に改造。

所要時間:実質2時間くらい・・・削り直し、ゴム部品交換、すり合わせなど

 

9.キャブレター修理・・・停車してしばらくするとアイドリングが下がって不調になる症状の改善

概要:ニードルバルブの交換とエンジン稼働中の油面の状態確認、調整・・フロート高さを指定数値に合わせても、実際の油面がけっこう異なってしまうのを修正していきます。

所要時間:実質2時間くらい・・・油面が暴れだすまで時間がかかるようです。

 

10.大森のタコメーター修理

概要:動作不安定になった大森のタコメーターの修理

所要時間:実質4時間くらい・・・調査時間が大半(エージング時間は除く)

 

11.チャターマークが発生し騒音が発生するデフギヤのギヤ表面の研磨

概要:オイル切れや劣化、過負荷やセッティング不良で、歯表面にチャターマークが発生し騒音を出すようになったデフギヤの歯面修正研磨(研磨の大半は手作業)

所要時間:今4時間くらい・・・まだまだ続く・・・最後はモーターですり合わせ研磨します

 

12.同時点火用ハイテンションコード作成

概要:純正ハイテンションコードの部品をばらして市販のバイク用コードと組み合わせて純正っぽい同時点火コード作成

所要時間:1時間

 

ちょっと毛色の変わった修理が作業内で発生したのはこのくらいでしたね。

あとはいつもの・・・1時間以内で終わるくらいの修理や、ヨタパブのタコ、スピード、油温、燃料、油圧メーター修理、燃焼ヒーター各部品修理、ステアリングコラムOH、エンジン組みなおし、動かなくなったユーザーさんへの遠方出張修理等々でした。

他にも家電やバイクなどいろいろありました。

書き並べると4か月くらいで結構やってますね。忙しいわけです

では!

今日は雨の中、GPZ1100の車検に行ってきました。

雨中のバイクのユーザー車検は大変です。 

自宅から検査登録事務所まで自走、ただでさえ雨降りでは荷物扱いが大変になりますが、さらに検査時はヘルメットや荷物は持てません。でも雨なのでそのへんに放置もできません。 なのでヘルメットや荷物が入る大きなリュックを背負ってのライン検査です。

 

まずは、写真右の「八王子自動車検査登録事務所」に行って書類を作ります。

最近は現状の車検証の2次元バーコードを読ませれば、その場で自動で必要書類が印刷されます。 既に車体情報と所有者情報が一緒に印刷されてくるので、以前のような記入の煩わしさはありません。 ちょっとした追記と申請者、所有者の名前住所を書いたら完成です。 

事務所の方も丁寧な対応でわかりやすかったです。

 

それを持って重量税と検査手数料を支払いに、写真左の建物に行きます。 

今回は大型バイク(1100CC)で重量税が5000円、検査登録費用が1700円、合計6700円。 これに2年分の自賠責保険の9270円を合計して15970円が車検総費用です。 ここの職員の方も優しい対応でした。

 

さて検査ラインに並びます。 

まだ雨は降ってます。 検査ラインは写真撮影は×ですので文章だけ・・・

 

最初にランプ類やホーンの確認、車体番号とエンジン番号の確認が行われます。 

この時、検査官に「スピードセンサーはどっちですか?」と聞かれます。 要はスピードメーターは前後どちらのタイヤからか?ということですが。 「センサー」と聞かれて一瞬わかりませんでした。 私の弄るほとんどのバイクがセンサーは付いてなく、ギヤ式なので・・・

 

検査ラインでは、雨で濡れたタイヤとでローラーが滑らないように気をつけながら前後ブレーキをかける(ガン!ではなくて、少しゆっくり)くらいで、あとは難なく合格しました。

ここの職員の方も優しい方でした。 的確に指示を頂き不安なく進みました。

検査ライン終了です。 

事務所に戻って検査ラインで総合判定され捺印された書類を提出し、10分程度で新しい車検証とステッカーをいただけました。

 

検査が終わって事務所を出たら雨が止んでました。

もうちょっと早く止んでくれたらな・・・

車検は何度やっても緊張します。 でも無事終われば安堵感と達成感があるんですよね。

帰りは晴れ晴れした気持ちで、気持ちよく走れました。

この季節になると、燃焼ヒーターの修理依頼が、ちらほら入り始めます。

まあ燃焼ヒーターは大御所がいらっしゃるので、私への依頼は少ないですが・・・

 

北陸のヨタハチ乗り(仮称Aさん)からメールで質問、

Aさん:燃焼ヒーターのスイッチ入れると、ボン!・ボン!って言う大きな音と、すごい白煙が出続けるので怖い。どうすれば良いのか? ボイラー外して焼けばいいのか?

私:オーバーフローのパイプの先端からガソリン出てないですか?

Aさん:出てはいないけど、ちょっとガソリン臭い気がする。

私:稼働中はガソリンがどこかから漏れてませんか?床下の排気管からは煙だけですか?

Aさん:漏れてはいませんし、煙だけです。ファンも回っています。

私:迷惑にならない広いところで燃焼ヒーターを稼働させてみてください。 破裂音がしてもしばらく我慢して見ていて。 排気から火の粉が見えたり、オーバーフローから漏れてきたらすぐ止めて、その場所を移動してください。

Aさん:やってみました。しばらくしたら白煙は減ってきました。破裂音も少なくなってきました。ただ自宅に帰って2日ほど乗った後、もう一度やってみたら、同じようになりました。ボイラーを焼いた方が良いって聞きましたが・・・

私:とりあえず、燃料バルブの漏れのような気がするのでバルブ装置外して送ってください。

Aさん:バルブですか・・・稼働中の話なのでバルブは関係ない気がしますが・・・どんな理屈ですか?・・・ ・・・ ・・・

 

ってことで、燃料ポンプ側と、燃焼ヒーター側のバルブ装置が送られてきました。

 

分解すると、案の定バルブゴムとプランジャーパッキンがカチカチです。

いつもの通り、硬くなったゴムをほじくって取り去ります。

硬くなってるので、ほじくると粉状になります。もうゴムじゃないですね。

 

耐ガソリンNBR(2mmはフッ素ゴム)のシートをポンチで抜いてバルブゴムを作ります。

最初は、大きい方(燃焼ヒーター側)のプランジャーなので、8mmのポンチで抜いた後グラインダーで外径を整えながらサイズを合わせます。

小さい方も同様にしてゴム交換します。 

ちなみにゴムを留めている真鍮リング(プレス部品)はとても弱いので手を付けません。

 

抜いて成型したゴムをピンセットで押し込みます。 

案外簡単に入ります。

 

フロートバルブの動きも、ガソリンのスラッジで良くなかったので、サンポールで煮て動きをよくしておきました。

組み立て終了。

 

早速送り返しました。

あと、Aさんには、空気導入管の中の金網も、詰まりが無いように洗っておくことをお勧めしました。

 

Aさん早速装着して試運転です。

Aさん:破裂音はしませんでしたが白煙が出たので止めました。

私:その他の異常は?

Aさん:ありません、オーバーフローパイプも乾いてます。

私:それなら試運転を再開してください。白煙だけで、他に異常なければ10分以上しばらく運転を続けてください。もし白煙が薄くなって問題なさそうなら30分以上は動かしてください。

Aさん:しばらくしたら白煙もなくなりました。調子もよさそうです。 

私:何日か運転した後に、同じようにやってみてください。

Aさん:100kmほど運転してからやってみました。白煙も破裂音もなく快調です。 

私:一度2時間以上連続稼働させてください。内部のカーボンがかなり減りますので。

 

原因は、たぶんバルブゴムの不良によるガソリンリークです。 エンジン稼働中に2つのバルブがガソリンを止め切れておらず、燃料ポンプ圧で微量ながらヒーターボイラー内にガソリンが送られ続けていたと思われます。 ヒーター内がガソリン過多(びしょびしょ)になって、着火時に破裂音や不完全燃焼になっていたと思います。

 

Aさんはこの後2時間程度動かし続けたところ、においも白煙もなくなって、すごく調子が良くなったといっていました。

連続で2時間も動かせば、ボイラー内部のカーボンもかなり綺麗になります。

(20分程度以下の運転の繰り返しではカーボンが溜まりやすいです)

 

私の燃焼ヒーターも10年以上何もしてませんが毎秋から正常に稼働してくれます。 

今年はどうかな、スイッチ入れてみよう・・・