自分は、最近結婚した。

この本を読んで、もっともっと、1秒1秒を妻のために生き、

もっともっと大切にしなければならないと思った。


もし、妻が病気になったら。

もし、妻が突然亡くなったら。


そう考えると、絶望する。


今まで、そんなこと考えたことなかったが、

この本を読んで、ふと考えてみたが、恐ろしかった。


内容もそうだが、解説を書いている島本理生さんの言葉が染みた。


『誰かと共に生きるということは、

いつか失う悲しみを背負うことであり、

同時に、いつか失わせてしまう悲しみを背負うことだ』


結婚しているということが、怖くなった。


一緒にいたい。

そう願うことは、いつか離れてしまう悲しみを同時に背負っているのだ。


変わらない事実だ。


しょうがない。


それだったら、今を、精一杯生きよう。

精一杯大事にしよう。

そう思えた。

待ちに待ったチームバチスタの栄光の著者、海堂尊の文庫新作。

残念ながら、本作は白鳥シリーズではないが、

相変わらず登場人物に癖があって面白い。


何よりも、桜宮市という舞台をぶらさない所が好きだ。


登場人物も重複していて、何か、人気RPGの連作をプレイしているような気になる。


早く自作も文庫になってほしい。

この本を読んでいると、「ジョハリの窓」という概念が頭に浮かんだ。


自分も相手も知っている自分、自分しか知らない自分、

相手しか知らない自分、自分も相手も知らない自分


「自分」というものを4象限に分けた考え方を「ジョハリの窓」と言う。


本作品は5章で構成されている。

各章を5人の登場人物がそれぞれ担当?している。

(1章1人物の目線のみで描かれている)


各章の主人公が「自分しか知らない自分」を語りながら、

他の4人の登場人物について語っている。


それが5章で連なることで、全登場人物の「自分しか知らない自分」と

「相手しか知らない自分」が見えてくる。


まったくの他人だった5人の登場人物が2LDKの同じマンションに住んでいる。

近すぎず、遠すぎない関係が、現代の人間関係の縮図のように映る。


ストーリー展開はもちろんだが、人との関係について、

考えさせられる一冊だった。