君が新幹線に乗り込んでドアが閉まる。空いている席を探していて、うまく座れた様子を見て、なぜだか目頭が熱くなるのがわかった。泣かなかったけどさ。別れを実感したからじゃない。君が一人で旅立とうとしている姿を目の当たりにしたから、かな。
当たりまえだけど、もう僕は君の隣にいてあげることはできない。別に僕がそばにいることを君は望んじゃいないだろうけど、仕事でもプライヴェートでも、そばにいて君の抱えている問題や気持ちをすべて共有してきた。それがもうできないだなぁって。そんな状況を離れて、君は自分で決めた道を一人で歩き始めたんだなぁって。
親鳥が雛鳥を見送る心境か(笑)
まぁそれが別れ、ってことか。
僕も今、新たな一歩を踏み出そうと頑張っている。お互いに次の一歩がどうなるのかわかんない。でも、わかんないからこそ、踏み出さないとね。踏み出せばきっと何かがわかるはず、踏み出した先が正しいのか間違っているのかがね。
僕と君の未来は、踏み出したその先にしかない。もし踏み出さなかったら、きっと退屈な未来しかなかったような気もするし。
次に会うときは、お互いがさり気なく自慢し合えるようにしたいな。僕が彼を嫉妬してしまうような話とか、君が僕ともっと一緒にいたかったと思えるような仕事の話とか。
もちろん、彼の愚痴でも歓迎だけどね(笑)
不思議なことに、君のことを考えると、自分も頑張らなきゃって思える。君と会うに相応しい人間でありたいからさ。
君にとっての僕もそうだったらいいな、とか考えながら、新しい仕事の面接を終えた。面接も少しは慣れたかな。今日の空は青く澄み渡っている。君も同じ空を眺めているような気がした。