さらに北の地にて | 人生をピンセットでつまむ

長万部と云うところにたどり着いた。
車で13時間程の道のり。
私は運転が苦ではないので楽しかった。
宿に着けば工事業者らしき人々で
ごった返している。
見れば周りの宿も同じよう。
人の少ないこの町で何の工事なのかと疑問が。
なので聞いてみる。
「新幹線の工事」そうお兄さんは答えた。
なるほど納得の混み具合。
ちょっと前まで工事業者だった私は、
彼らにどこか懐かしさをおぼえた。
食堂で手酌酒の人々を眺めながら、
私もいつもの様に酒を飲んだ。
ゆっくりとあるいは早く時が流れる。
長万部にもいつもの様に夜がやって来る。
その藍色はどこも同じだ。

