白昼夢 | 人生をピンセットでつまむ

白昼夢

暖かい風が頬を撫でる。

刺すような寒さがまるで嘘のよう。

刺すから撫でるへの変化は息吹。

新しい命が芽生える。


私のそばにある人形は、

表情を変えることなく佇むばかり。

見開いた瞳は閉じられる事もない。

干からびた木偶が、

ただ一点を見つめている。

その光景はこの季節にはそぐわない、

薄ら寒い雰囲気を漂わせている。


木偶はこう言った気がする。


「あたしもあなたも傀儡だ、糸で動かされるばかり・・・」


なんだか私は無性に腹が立って、

持っていた鉄梃で木偶の頭を一突きにした。

ボコりと鈍い音がして頭は割れたが、

口は残った。


「ゲラゲラゲラ、ゲラゲラゲラ」

笑い袋のような音で笑う。

傀儡の私が笑っている。


藍色の空が笑っている。


昼と夜は別の顔だ。


それを誰もが知っている。