水平 | 人生をピンセットでつまむ

水平

消されて行く記憶。

私はポケットの中の水平器を握り、

心の平衡を確かめてみた。

100分の1右に傾いた勾配で、

それはどこまでも続いてる様。


消された記憶は、

どこへ放流されているのだろうか?

私は海辺に建っている浄化施設を眺め、

このタンクの中で記憶が分解される事を想像した。

私の記憶は浄化され、

純粋な水としてどこかへと放流されているのかもしれない。


雨が嫌いな君の事を思い出した。

その記憶もやがては消え去る。


私はまたポケットの水平器を確かめる。


どうやら今は0の水平である様だ。