眩暈 | 人生をピンセットでつまむ

眩暈

真っ直ぐ歩けないほどに泥酔していた。

左右に体を揺らしながら歩き、

何かにつまずいて転倒した。

私の目から見える世界がぐるぐると回転している。

その回転の世界の中に女が居る。

知らない女だ。

そして、何かを言っている。

「・・・・子供が・・・」だとか、

「・・・大丈夫・・・」だとか、

「・・・顔を・・・」だとか、

断片的な言葉が聞こえる。

女は私の手を取り立ち上がらせ、

おぶう様に私の両腕を担いだ。

私は女の首に腕を回し首筋に鼻先を付けた。

何とも言えない、甘やかな匂いが漂っている。

そして、私は薄っすらと目を開けたり閉じたりしながら、

女に腕を担がれ歩いた。

何処へ向かうのだろうか?

だが、開けた目から見える景色は知っているものばかりだ。

これは私の家に向かっているのだと回る世界で思った。

ボロアパートの扉を空け、女は私をベッドへと寝かせた。

と同時にスルスルと私の服を脱がせた。

Tシャツ、靴下、ズボン、パンツと、

あっという間に生まれたままの姿にされた。

私の意識は今、泥の沼に浸かっているが、

その事は分かった。

私は裸のままでベッドに寝ている。

すると今度は女が服をスルスルと脱ぎ出し、

これもあっという間に裸になった。

それが薄っすら開けた瞳にゆらゆら映る。

と、女がまたがって来た。

私の△○●を持ち○◎の△■□△に押し●◎、

☆しく㊤㊥㊦に㊧⑰出した。

私はぐるぐると回る世界で、

女に違う動きを加えられた。


明滅。


そして、ゆらゆらとゆらゆらと揺れ、

私の意識は遠のいて行った。

朝目覚めると激しい喉の渇きで、

洗面所へと向かいコップで二杯飲み干した。

服は着ている。

あれは、夢だったのだろうか?

そんなぼんやりとした夢見がちな頭で鏡を覗き、

私はゾッ!とする。

鏡には見知らぬ顔の男が映っていた。

私の知らない男だ。

世界が回り始める。

二日酔いの続きか?

いや、これは眩暈だ。

私は思わず嘔吐してしまう。

先ほど飲んだ水が飛び出し、

後はえづくばかりだった。


ぐるぐるぐるぐる

ぐるぐるぐるぐる


世界が回り出しその中で、

やはり見知らぬ男がこちらを見ている。

それは、私の知らない男。


又、眩暈。


おまえは、だれだ?