リビドー発信本 | 人生をピンセットでつまむ

リビドー発信本

本を読んだんで感想を書こうかな?

なんつった感じで今宵も、

ユラユラな感想文でも書こうと思っている。

今回読んだのは、筒井康隆の短編集『陰悩録リビドー短編集』である。

古本屋をブラブラしていたら、偶然見つけたので買ってみたのだ。

まず惹かれたのは『リビドー』と言う言葉である。

そして、筒井康隆の小説を読んでみたいなあ。

などとちょっと前から思っていたからして、

迷う事無く即買いのソソマスク34歳、

しし座、寅年、乙女チックな男の子(おっさん)なのだった。

そんなリビドー本をペラペラと静かな田舎の夜に読みふけった。

そして、私はケラケラと小声で笑ったのだ。

中でも好きだったのは、

男心を巧みに描いた『欠陥バスの突撃』。

自慰でテレポートしてしまう『郵性省』。

蒸発した夫を探していた妻が辿る道を奇妙に描いた『君発ちて後』。

そして、私が1番好きだった『陰悩録』。

その『陰悩録』について今日は少しだけ書こう。

簡単なあらすじは、

ある男の子が風呂に入っている。

この男の子は風呂の詮を抜いて、

その排水溝に尻の穴を吸わせる事が非常に好きだった。

そんなある日、いつもと同じ様に、

風呂の詮を抜き、尻の穴を排水溝にあてがっていたら、

なんと!金の玉がスルスルと排水溝に吸い込まれて行った。

男の子は焦り、金の玉を引き抜こうとがんばるが、

痛くてどうしようもない。

ママに言おうと思うが、バレたら怒られるだろう。

男の子は試行錯誤するが、

次第に状況は悪くなって行ってしまう・・・

みたいな、金の玉危機を描いた素晴らしい作品だった。

自分は金の玉を排水溝に吸われるなどと言う、

経験は無い訳だが、何かの拍子で有り得る出来事だと思うと、

背筋がゾッとし、金の玉が縮み上がる。

男子にとって金の玉は非常にデリケートゾーンであり、

ささやかな衝撃でも激痛と鈍痛を有する部位なのである。

そして、そんな想像の痛みだけを感ずるのではなく、

縮み上がった金の玉を抱えながらも、

笑いが溢れてくるのだ。


痛みと笑い。


相反するものがこの作品には同時に描かれ、

不思議な感覚に陥る。

そんな筒井康隆と言う著者が、

私はこの一冊で非常に好きになった。

短編の発想がどれも意外で素晴らしく、

自分もこんな発想が出来ればと思った。

これからも色々な筒井作品を読んで行こうと思う。

楽しみがまた一つ増えて私は嬉しい。


と・・・その時、金の玉がゆるんで行くのが私には分かった。

それは自分の玉なのだから当然である。

だらりとした金の玉が窓から射す月明かりに照らされた。

それは以外にも美しかった。

そこには月の光と玉のシワのコントラストがあった。

私の眼下に確かにあったのだ。