オータム?フォール?秋?読書?
秋だから本を読んだ。
やはり秋の読書は進む。
雰囲気がそうなのか気温がそうさせるのか、
理由は分からないが秋から読書は進むのだ。
って事でオススメされた一冊目。
ニコルソン・ベイカーの『もしもし』を読んだ。
この作品はテレフォンセックスで偶然出会った男女が、
お互いに興味を惹かれ合い、その電話越しの会話に没頭し、
二人は妄想のエロティックな世界へ沈んでゆく。
全編、会話だけで進行する珍しい小説だが、
その会話を受話器を通して盗み聞きしている様な気分になり、
私もエロティックな世界に飲み込まれた。
この小説は生々しいエロスではなく、
スタイリッシュ妄想エロスワールドが展開され、
お洒落な会話で先へと進む。
私個人としてはこの小説はエロの新しい形を垣間見た気がした。
これはいいエロ小説だった。
そして、もう一冊紹介された、
ポール・オースターの『最後の物たちの国で』も読んだ。
これは、失踪した兄を探す為にある国へ渡った妹の話で、
渡ったその国は、政権が不安定な為に混乱しており、
略奪やレイプなど様々な悪がはびこっている。
また一度入国すると出る事が出来ないそんな国だった。
果たして、この国から脱出する事が出来るのか?
そして兄はいったいどこに居るのか?
ここは最後の国なのだろうか?
などと言ったダークな国の物語だった。
私は、この話がなかなか好きだ。
絶望した町でそれでも生きてゆく人々の様や、
全てがちょっとづつ壊れてゆくその世界が、
静かでどこか美しく感じた。
これが、俗に言う滅びの美学なのだろうかと思って読んだ。
私はこの作品に何とも言えない美しさを見たのだ。
悲しき美しき良作。
そして、最後に森見登美彦の『四畳半神話大系』を読んだ。
こちらは以前読んだ『夜は短し歩けよ乙女』と同じ登場人物が現れ、
そのつながっている感じが良かった。
あらすじは、一人の大学生がバラ色の大学生活と色恋を夢見、
サークルを選んだのだが現実は厳しく、
小津という妖怪めいた他人の不幸で飯が三杯食える、
そんな男と嫌々ながら大学生活を共に送る。
周りに現れる人々は神様だと言うなすび顔の男であったり、
ダッチワイフをこよなく愛し所持する男であったり、
酔えば男の顔を舐め回す戦国武将の妻のような凛々しい女であったり、
阿呆な物を阿呆と素直に言える、芯の有る黒髪の乙女であったりと、
多種多様な人物達がこの物語を風の様に駆け抜ける。
果たして、そんな奇異な人物達に囲まれた主人公には、
バラ色のキャンパスライフが訪れるのだろうか?
と言った、世にもおかしなお話だった。
これは四話に分かれた話だが、
私には思いもつかない上手い構成で出来ており、
読み終わった後に非常に感心し、話に引き込まれた。
そして、この作品を通して友の大事さを知った。
これを読んだ人々はきっとその事を思うだろう。
私はこの作品が好きだ。
なんて感じで秋のおセンチな夜に読みふけっていたのだけれど、
やはり、読書は寒い時期に限るなどと思った。
『読書の秋』それは間違いのない言葉だと、
ハロゲンヒーターの前にいる私はそう思ったのだ。