行商 | 人生をピンセットでつまむ

行商

寝転んで家の中をゴロゴロ転がって遊んでいたのだが、

色々な所に激突し思うように進めないので、

外へと飛び出す事に決めた。

私はこんな狭い家の中で転がっている場合ではないのだ。

飛び出せ外へ!

飛び出せ青春っ!!

そんなスローガンをかかげまずは外へと飛び出した。

私は国道をゴロゴロとひた転がり、

やがては二車線道路に突入した。

ブンブンと横を通り過ぎる車に恐怖しながらも、

スピードを上げ転がる。

が、ある時に気づく。

こんな道路を転がった所で、

私が行ける範囲はジャポンに限定されている。

『お前はジャポンで終わってしまうのか?え?ちんぽこぽん?』

などとしきりに心の住人が問いかけてくる。

だから私は意を決し海へと転がった。

音はゴロゴロからシャシャシャシャへと変わり、

大海原へと進む。

どれ位の時が経ったか回転している為、

時計を見る事もままならずよく分からないが、

ふと気づけば横にはマグロの群れが美しく速く泳いでいる。

!?

私にある考えが浮かんだ。

と同時に回転数を最大限に上げ泳ぐマグロに突っ込んだ。

気絶しプカプカと浮かぶマグロ。

一匹、二匹、三匹・・・

そんな気絶したマグロの尾に持っていた紐を結わい、

私は鵜飼いならぬマグロ飼いよろしく、

世界を回遊し旅をする。

他力で大海原を突き進む。

それに飽きたら陸に上がって売る。

マグロを激しく売りさばく。

金を稼ぐ。

荒稼ぎをする。


そんなビジネスモデルなんてどう?

結構良くない?

などと夢想しながら現在も部屋を転がっている。

ゴロゴロゴロ。

私は転がっている。