消える | 人生をピンセットでつまむ

消える

やっとこさ『ザ・ベスト・オブ・サキ』を読み終えた。

これは実に二ヶ月を要した。

それは何故ならば内容を理解するのに時間が掛かったからだ。

この作品は42篇の短篇を集めた物で、

各作品にブラックユーモアが散りばめられ、

それを読み解くのに時間を要した。

しかも作中の登場人物の呼び名がファーストネームだったり、

ミドルネームだったりと、ころころ変わるので、

読んでいる内に誰が誰だか分からなくなり、

「誰だお前は?おい!この野郎!チンポコポン!!」などと本にツッコミつつ、

また遡って読み返し気づけば本を放り投げ酒を飲み寝てしまう。

と言った様な事をくり返していたらこんな事態に陥った。

これは私にとってちょっとした苦行の様な感じであった。

いや、ただ私の理解力、読解力、そして恋愛力が乏しかったからであろう。

ちなみにいまだにオチが分からない物がいくつかある。

それは何度読んでも『ん?それ?どゆ事?』と言った感じで分からない。

そして、その理解できない事が非常に悔しい。

この何とも言えない敗北感。

本を読んで受ける敗北感。

これはある意味新感覚だった。

新感覚ソリッドシチュエーションスリラーだった。

そんな思いをして読み終えた現在。

42篇の内容を思い出そうとすると何と驚くべき事に!

3篇しか思い出せない。

何たる私の二ヶ月間。

39篇は忘却の彼方へと消えた・・・