4WD | 人生をピンセットでつまむ

4WD

その日

底抜けの青空に向かへそうな坂道を

テラノが軽快に蛇行し進んだ

雨上がりの濡れた路面が

ギラギラとした太陽の光線で

キラキラと反射した

あの日

置いてきた物は何だったろう

それを思い出す事が面倒で

輝く道に目をやるんだ

この光景はケアンズの午後

当たり前に降り注ぐスコールの様に

今目の前に広がっている

あの雨で出会ったのは

今見てるのとは違いそうで

時間が屈折を生んだようだ

握るハンドルは左右に揺れ動き

強弱のダンスをその路面に刻み

青の向こうを目指す

手にしたラッキーストライクの箱は

後何本もないらしく

カラカラと音を立て踊る

僕は箱を握り潰し

ダッシュボードに投げ

更にテラノを走らせた

その先に見える夕日の影を

追って探し

回転数を上げる

ステレオからは

背を押すような

ナンバーが流れている

君も知っているナンバーだった

テラノが左に揺れた

路面の影が踊る