ある星の出来事
遠くの方に建築物の集まりが見え、
その中には最近出来たばかりの、
ひときわ高くそびえた80階建て程のビルが、
他のモノを見下ろすように建っている。
そんな町をリゲルはこの丘から眺めた。
リゲルのすぐ後ろにはコンクリートで囲まれた、
まるで湖の様な大きく深い水槽があり、
中には30m程の白い魚らしき生物が泳ぎ、
その光景はおどろおどろしい。
だがそんな中、水槽を優雅に泳いでいる者がいる。
それはこの丘の町に住むカノープスだった。
カノープスはまるでバカンスにでも来ているかのように、
水槽の上に仰向けになって太陽光を浴び、
プカプカと漂っている。
そのカノープスの下には先ほどの生物が、
不気味な影を映してうごめいている。
リゲルはそれを見てゾッし、
背筋に粘りのある不快な汗を流した。
「カノープス!カノープス!」
そうリゲルが呼ぶと、
カノープスは何事かと言った気だるい表情で、
リゲルに目をやり、水槽の淵の梯子まで泳いでやって来た。
梯子を上るカノープスは体から滴る雫を夏の光にキラキラと反射させながら、
繊細で美しい姿態をあらわに水槽から上がった。
そうしてカノープスは置いてあったタオルを無造作に手に取り、
ゴシゴシと乱暴な手つきで頭をこすりながらリゲルに近寄る。
「なんだいリゲル?今日の午後は授業は無いのかい?」
「あぁ今日はあまり気が乗らないからサボったんだ。
ところで君はあの水槽で夏を満喫しているみたいだけど、
下に泳ぐアレラ(怪物?)は怖くないのかい?」
そう疑問を投げてみた。
するとカノープスはクスクスと小さな声を上げた後、
ワッハハハハと大きな声で笑った。
そして、真っ直ぐなライトグレーの瞳でリゲルを見つめ言った。
「共存する者に恐怖なんて感じないよ」
そう言って丘の町がある方へと歩いて行った。
リゲルはそんなカノープスのきゃしゃな背を眺め、
『やはり不思議な奴』
などと思い遠ざかる彼を見送り、
また遠くに広がる町を眺めた。
ド~ンッとそびえる80階程の建造物が、
こちらを見ているかの様な錯覚に捕らわれた。
いや、もしかするとある種の命があの建造物には、
注ぎ込まれ、もう既に呼吸をしているのかもしれない。
『ここにもあそこにも恐怖はある』
そうリゲルは思い考えながら、
カノープスが進んだ様に水槽の淵を歩いて、
丘の町へと戻った。
水槽の中にはやはりおどろおどろしい無数の大きな影がうごめき、
こちらを奴等は監視している様だ。
だからリゲルは落ちない様に慎重に歩いた。
黒い大きな影が水の中を彷徨ってはどこかへと消えて行った。
と、言った様な話を暑い夜にワシワシ考えて書いていたのだが、
実際はもっと長くなりそうだったのでここでいったん切った。
しかし、オチがイマイチなんですよね~
う~ん、どうしよう・・・
などと考えてもらちが明かなそうなので、
もう酒飲んで寝る!