ナポリタン
僕とトムは出かけた。
僕は自転車、トムはバイク。
軽快にこぎ、軽快に進み、真っ直ぐの道を2人が走る。
目的は僕らのマドンナのフィルと食事に行く事だ。
予定は抑えてある。
今日の風は春めいていて心地が良い。
そうして間もなくフィルの家へと到着した。
トムがインターフォンを押す。
ピングポ~ング♪
と空気を震わせてその音が僕らと辺りに届く。
奥から人の気配、
もちろんフィルである事は予想がつく。
「いらっしゃい」
いつもの様ににこやかに現れたフィルはやはり白く美しかった。
見惚れる2人にフィルは、
「ちょっと待ってね、今用意が済むから」
と言って奥へと消えていった。
その後ろ姿をトムは力強くも優しい眼差しで見ている。
僕はそんなトムを見ながら、
手持ちのステッキのマーブルチョコを取り出しほお張る。
このステッキは僕がいつも持ち歩いてるステッキで、
柄のU時に曲がった尻の部分から詰まったチョコが取り出せる仕組みになっている。
ちなみにステッキの色はらせん状のレインボーカラーだ。
oh!cool!!
そんな自画自賛のお気に入りステッキ&マーブルチョコで時間を潰す。
もぐもぐ頬張りながらステッキをぐるぐる回す。
そんな僕には気も留めないでトムはフィルの登場を待つ。
だから僕は退屈。
ぐるぐるもぐもぐ。
すると間もなくドアが開きフィルが登場した。
何度も言うようだがやはり美しい。
トムの目が輝き僕の咀嚼が早まる。
そうして3人が揃いトムお気に入りのイタ飯屋に歩いて向かった。
僕は2人の後ろをステッキを軽快にぐるぐると回して歩いた。
天気がいいせいで3人の気分も上々だ。
3人は歩きながら軽く会話を交わし10分程の道のりを進む。
すると突然道端からキザ野郎のジョニーと気難しいエドが現れる。
あ、そうそう言い忘れていたが、僕はコリンって名前だ。
別に懲りない男って事じゃないよ。
あ~下らない・・・
まあそれは置いといて、この2人が現れたんだ。
「よ~よ~お前らどこ行くんだ?」
「あぁ今から食事さ」
なんてトムは紳士的に答える。
「俺らも飯時だからご一緒したいもんだ」
そんな事をジョニーが言い、その後ろでエドが眉間に皺を寄せ頷く。
「では一緒にどうぞ」
とフィルはにこやかに答える。
僕は苦虫を潰したような顔で舌を出した。
だが、トムは相変わらずのクールな表情で、
「ああ君らもどうぞ」
なんて事を言うもんだから僕は更に、
「バーカバーカ」
と心の中で連呼し、またフィルにばれない様に舌を出して悪態をついた。
2人もフィルを好んでいる事は感じ取れる。
でも僕はマーブルチョコに首ったけであいつらが嫌いだし、
僕はトムとフィルがくっ付く事を望んでいるんだ。
だから邪魔する2人を僕が言葉巧みにやっつけてやる!
なんて思ったりしている事はナイショさ。
僕には手の届かない高嶺の花フィル。
でもトムとなら似合いの2人になれると僕は心底思ってるんだ・・・
そうして、5人珍道中みたいな格好でイタ飯屋へとたどり着いた。
あ、珍道中にしているのは僕の妄想か?
トムが店員に予約を確認し、
人数が増えた旨を伝えた。
いつもは混み合っているこのイタ飯屋も、どうやら今日は幸い空いているようで、
5人の席が用意される事となった。
shit!!
あいつら2人は別のとこで食いやがれっ!!
と心の中で思い、また一口マーブルチョコをパクリッと頬張る。
僕の安定剤はマーブルチョコなのかもしれない。
などと考えていると、丸いテーブルに通された。
誰がフィルの隣に座るのか?
そんな事を思っていた矢先、フィルの隣にちゃっかりジョニーとエドが腰掛ける。
だが、我らがトムは凛とした表情で、正面に腰掛けフィルを見つめる。
そんな彼らを僕は横からステッキの上に顎を乗せ眺めた。
僕の知っている心理学からするに、
トムは不利な位置に陣取り、
奴ら2人が有利な位置に陣取る。
これは僕が一肌脱いでトムを優位な状況にしてやる。
と闘志を燃やした。
何故?
なんて愚問は受け付けないよ。
僕はトムとフィルの幸せな姿が見たいんだ・・・
「あ!僕ナポリタンで!!」
ってな話を丑三つ時にピコーン!と思いついたので書いてみたんですが、
今度はプロットをちゃんと作って書いてみようかなとか思いました。
あ~今日も寒い寒い。
ではサイナラ。