不審物
昨日に引き続き全裸でたたんだ服を頭に載せ、
顎ヒモ蝶々結びのファニーな男である私は、
道端で正座をしながら町を眺めているのだけれども、
通り行く人々から奇異の目で見られるのは何故だろうか?
「何だその目はっ!!」
などと立ち上がり叫べば叫ぶほどに奇異の目が色濃くなって行くのを感じる。
だが、私もいい大人であるからして、
すまし顔でまた座りなおし町を見つめる。
あ、言い忘れていたが私の使命は町を見張ることである。
ただ見張ることである。
そうだな、生きた監視カメラと言った方が分かり易いであろうか。
そんな監視カメラ的使命を負う私は、
体に仕込まれた脳と言う器官を駆使し、
その映像を記憶する能力を有している。
また、どうでもいい記憶は削除するスグレモノでもある。
(削除対象はエロ以外の殆どである)
だがしかし、本日その見張りの目をかいくぐってある事件が起きた。
時は朝8時47分へとさかのぼる。
私はちょうど休憩を終えまた監視業務へと戻ろうとする時であった。
業務開始に伴い道端の点検確認を行っていた所、
明らかに休憩前までには存在していなかった不審物体が目の前に横たわっていた。
「何やつ!!」
私はとっさに二歩ステップバックし、
おもちゃの刀を抜いていつでも攻撃態勢に入れる様素早く動いた。
そして、同時に私の目が捕らえる不審物体の情報を脳へと伝達し、
解析を始める。
0 1 10 11 100 110 111・・・・・・(二進法)
「はっ!!」
「こっ!これは!まさかっ!!」
「犬のウン(パキューン!!)ではないかっ!!」
思わぬ解析結果に私を怒りを覚えた。
「ムキキキギリギリギリギリギーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
「人の家の前に犬のウン(パキューン!!)を放置するとは何事かーーーっ!!」
「必ずとっ捕まえて27時間説教してやるっ!!このたわけっ!!」
私の監視活動がこの時から更なる強化をはじめた事は言うまでもない。
全裸で鬼の形相の男がこの町をギリギリと睨みつける。