思いは海を越える
ク・・・クリスマスめ!
強すぎるぞ!!
あまりのその強さに今年は風邪をひいて寝込むと言う事態に陥った。
私は完全なる敗北を喫してしまった。
だがそんな状況下でも明石家サンタは最後まで観た。
枕元に靴下をぶら下げ、暗闇に灯る画面を目を見開いてしかと見届けた。
サンタさん来るかなぁ~
って胸をワクワクさせながらしかと見届けて寝た。
だが翌朝胸躍らせながら靴下を覗き込んで見るも、
中には何も入っておらず、
ギャーーーーーーーーッ!!
っと叫び半狂乱になった私は、
着物のすそをグリリっとたくし上げ、
ロウソクを頭に二本さし外へと全力で走り出した。
ギャーーー!!
ギャーーー!!
ニャ~~~!!
ガスガスとスピードをあげ私は町を駆け抜けた。
商店街を風の如く曲がり、
キャバクラ街の電柱に激突し、
満身創痍になりながらもホテル街をはいつくばる様に先へと進む。
「ここで立ち止まる訳にはいかない」
「私はここで立ち止まる訳にはいかないのだ!!」
硬く握り締めた拳を心臓にドスドスと叩きつけ、
失いかけた意識を取り戻す。
ドク・・・ドク・・・ドク・・・
鮮明な心音。
カッ!っと見開かれる目。
それは確かな生気を帯びていた。
私はまた弾丸の様に走りだした。
いや、あの走りは弾丸を超えていたかもしれない。
走る。
走る。
走る。
私は身に着けていた全ての物をかなぐり捨て、
ただ加速の事だけを考える。
突き進む事だけを考える。
どんどんどんどん
どんどんどんどん
どんどんどんどん
どんどんどんどん
スピードを増しながら加速。
やがて私は海を越える。
奴の住むフィンランドを目指してひた走る。
鬼の形相でひた走る。
そう、私は走る弾丸。
走る弾丸。