私は列車で旅をする | 人生をピンセットでつまむ

私は列車で旅をする

私は電車に乗りました。

それはオレンジ色の車両が何両も連なるおそらくは中央線。

大勢の人と私を乗せ西へひた走ります。

私は幾分込み合った車両のつり革につかまり目を閉じました。

そして、次に目を開け意識のピントを合わせた時にはブルーのラインの根岸線車両へと乗り換えていました。

私はざっと車内を見渡し空いている角の座席に腰掛またゆっくりと目をつぶるのです。

どれくらい目を閉じていたのか分からない曖昧な時間を過ごします。

そして、次に目が覚めた時には何故か八高線車両に乗っており、

畑と山の広がるのどかな場所を走っていました。

列車は信じられないほどの低速で走行しており、

「何事か?」などと乗客達も窓から外を覗いたり、

立ち上がって周りを伺ったりしています。

すると唐突に流れるアナウンス。


「ただいま~


線路内を~


犬が走っており~


徐行運転させて頂いております~」


先頭車両の運転席の窓から覗くとその向う側には必死に線路を走る白い犬の姿。

それを眺め堪えきれず私はクスクスと笑いがこぼれてしまいました。

こんな大きい物体に追いかけられたらそれは必死に逃げるだろうな。

乗客達もみな私と同じ笑みを浮かべている様です。

暖かな心の時が流れます。

そして、再び霞んで行く目の前を認識しながら私はまた目を閉じるのです。


暗闇の意識の中、私はそこで

「どこに向かっているのだろうか?」

「目的地はあるのだろうか?」

そうふと思うのです。

時が経過して行きます。


1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・・・・・・


どこかに明かりがついた様に私は目を再び開けたました。

すると隣に女性が座ってこちらを見ています。

知っている女性ではありません。(いや、本当は知っているのかもしれません)

私は突然何とも言えぬ気持ちに襲われ、

ポロポロ、ポロポロと瞼から雫が零れ落ちるのです。

それは、涙、涙、涙。

するとその横から女性は私の肩にそっと手を置くのです。

とてもとても暖かい手を。


列車はそんな私たちを乗せ山道を走って行くのです。

涙を流す私の、肩に手を置いた女性の、

目的地も定まらないままで・・・

























っていう夢を見たんだよ。