船頭 | 人生をピンセットでつまむ

船頭

えんや~とっと~えんや~とっと~


えんや~とっと~えんや~とっとぉ~


などと口ずさみながら船を漕いでい~る。


この川は何川だろうか?


はて?


はてはて?


もしや三途の川?


あ!


そうかそうか私は船頭か、


ど忘れをしていた。


おっちょこちょいな船頭であ~る。


では職務に戻るとしよう。


<死者を前にして>


この川を渡るには料金六文が必要であ~る。

(六文払う絵のフリップを見せながら)


六文無い者は服を置いて行くのであ~る。

(裸でモジモジしている人の絵が描いてあるフリップを見せながら)


などと死者に説明をして私はまた船を漕ぐ。


えんや~とっと~えんや~とっと~

えんや~とっと~えんや~とっとぉ~


(先ほど離れた岸を眺めながら)


おやおや今日は客が随分多いようだな。


ははは。


えんや~とっと~えんや~とっと~

えんや~とっと~えんや~とっとぉ~


私の声だけがその三途の川に響いてい~る。