迷子
何かふと昔の事を思い出した。
それ書く。
子供の頃、家族でデパートへ言った時の事。
ピンポンパンポ~ン♪
放送が店内に流れる。
「○○県○○市からお越しのぉ~○○様ぁ~お子様が迷子になっておられますぅ~・・・」
と、それを聞いた私は。
なっ!!
コレだっ!!
突如閃いた私は迷子になってみたいという衝動に駆られた。
家具をダラダラと選んでいる家族を横目に、
思い立ったが吉日とばかり、こっそり下の階へと走り出した。
スタタタタタァ~
胸が躍る。
つまらん家具選びをかなぐり捨て私の冒険が始まったのだ。
私はフロアーを歩き回りレジのとりわけ美人なお姉さんを選び、
冷静かつきっぱりとした口調で告げた。
「迷子になったっ!!」
しかも笑顔。
そんな笑顔な私をとりわけ美人なお姉さんは優しく
「そっかそっか~大丈夫だからね~今探してあげるからね~」
と言い私をなだめる。
「はいっ!!」
快活に答える私。
「ところでお名前は~?どこから来たのかな~?」
などなど色々問いかけるお姉さん。
「ソソマスクですっ!!迷子ですっ!!」
更にテンションが上がり元気に答える。
ブハハハ~ボクは迷子だぜぇ~!!
そう思いながら興奮し放送を待った。
と
ピンポンパンポ~ン♪
「○○県○○市からお越しのぉ~パパマスク様ぁ~お子様が迷子になっておられますぅ~・・・」
よし!よし!!よし!!よしっ!!
一人盛り上がる私。
するとしばらくしてフロアー遠くの方に親父の姿が見えた。
パンチパーマでグラサン。
今思えばお前なに者だよ?
と言いたくなるような格好だが子供の頃の私にはよく分からなかった。
そんな親父がカウンターに近づき
「すいません、息子がご迷惑をかけまして・・・」
と言いながらも私の方をがっつりと見ている。
眉間には深い皺。
しまった殺されるっ!!
その時やっと気づいた。
いや気づいてももう遅い。
私と親父は深々ととりわけ美人なお姉さんに頭を下げ、(私は頭を掴まれ下げさせられ)
シャツの首元をグリリッと親父に握り締められながら、
引きずられるようにフロアーを去って行った。
で、二分後に階段の踊り場で一発殴られた。
上を見上げると親父のグラサンが妙に黒光りしていて怖かった。
いや、サングラス越しの無表情な親父に戦慄を覚えた。
が、ホッとした。
お咎め終了。
と油断してたらもう一発無表情で殴られた。
ゆっ!!許して下さいっ!!
しょんべんを漏らしそうだった・・・