8の字の猫 | 人生をピンセットでつまむ

8の字の猫

洗濯物を干しているといつの間にか横にトラ猫が座ってこっちを見ていた。

「にゃ~」

鳴いたかと思うとおもむろに立ち上がり、

私の足の間を八の字を描きながらくるくると回った。

「にゃ~」

くるくる

くるくる

「にゃ~」

くるくる

くるくる

頭、頬、体を私の足に擦り付けながら8の字を描いた。

「にゃ~」

「エサか?」

私は言った。

「にゃ~」

言葉が分かるかの様。

だがエサはやれない、

癖がついて毎日来られても困る。

動物が嫌いなわけじゃない。

だが、家の決まりだ。


ソソマスク家、家訓『猫を近づけるべからず』


「ほら帰れ」

促すとタタタタと小走りで足元を離れ10m位言った所で振り返りまた鳴く。

「にゃ~」

タタタタタタタタまた駆け出す。

家と家の隙間へと消えて行く姿を見届けてまた洗濯物を干し始めた。


バサッ

バサッ


空を見上げると太陽がギラリとして夏の様に眩しい。

思わず目を細めた。

淡いブルーの空が目に映る。

今日は洗濯日和。


けれど

明日は

雨らしい。