そこに山があるから | 人生をピンセットでつまむ

そこに山があるから

栗駒山と言う標高1627mの山 に行ってみた。

颯爽と家を飛び出して一時間半、

国道457号をひた走りながら遠くの方に雪交じりの栗駒山が堂々とした姿を現す。

目を見開く。

上がるテンション。

すこぶるパッション。

が、雲行きは怪しい。

ともあれ山に向かって突き進む。

やがてふもとの辺りへと突入し、

くねくねと伸びる山道を右へ左へハンドルを切りながら、

ゆっくりと上る。

徐々に徐々に山頂付近に近づき、

徐々に徐々に辺りがモヤに包まれる。

遠くから見えた雲の中に、私は今突入している。

悪化して行く視界。

と、いつの間にやら山頂手前の駐車場へと到着していた。

私は栗駒山、山頂一歩手前登山者ご用達無料駐車場に降り立った。

すると間もなく、


プ~ンプィ~ン

ブィ~ンブ~ン

プィ~ンプ~ン

ブ~ンブィ~ン


などと多種多様な音を耳元に感ずる。

「何奴っ!!」

と私は思い目を細め音の方にやる。

するとどうやら私の頭の周りを中心に体まで数多の小バエ達が優雅に飛び回っています。

いや、たかっています。

私は思いました。

「私は・・・死体か?死体なのか?腐った果実なのか?」

ってね・・・


愛車


そんな死体である私が降り立った場所。

残雪の横に死体である私の愛車が佇む。

どこか哀愁と死臭が漂う。

下界


で、そんな死体な私が下界を見下ろす。

見えない・・・

何も見えないよ兄さんっ!!(私に兄さんはいません)


山

で、次は頂上を見上げる。

こっちも見えない・・・

何も見えないよ姉さんっ!!(私に姉さんはいません)

2時間かけてここまで来たこれが結末。

死体はうな垂れて愛車に乗り込み、

ゆっくりと・・・ゆっくりと・・・

右カーブを曲がり・・・

霞の中へと・・・消えて・・・行った・・・