代表のアズマ・ドラフィティとの話し合いも終わり、


 後は作戦当日を待つのみとなったが、


 ポイズンファングはついでにということで、


 東アジア共和国軍の軍事基地を覗かせてもらうことにした。


 軍事基地の中は、量産型MS「GAT-04ii ダガーダブルアイ」を


 中心として、一般機と指揮官専用機に分類されていた。


 「「ダガーダブルアイ」は量産機ながらもツインアイ式のMSで、


  センサー類が特に強化されている最新鋭MSである。


  また、ツインバッテリーという新開発の低燃費エネルギーを


  使用しておりエネルギーが長続きするのも特徴の一つである。


  だが、ツインバッテリーは指揮官専用機のみが搭載可能であり、


  一般機は最新型のノーマルバッテリーを使用している。


  とはいえ、一般機も他軍と引けをとらず、


  ザフトの新鋭MS「ZGMF-5000 ゲルググソルジュ」と五分の戦いをする。


  また、「ダガーダブルアイ」はストライカーパックによる


  背部装備の変更が可能なため、


  多彩な戦闘をすることができるのも特徴である...だって。」


 グラージュは整備士だけが持てる説明書を拾って読み上げていた。


 「ここの機体も加勢するとは言っていたが、


  ガンダムには及ばないだろう。


  ここは俺たちだけで行くしかないな。」


 ダイゴはそういったあと、軍事基地を後にした。


 セフィルートにもどったダイゴたちは、


 ブリッジで最近のことについて、


 みんなで話をしていた。


 「そういや、最近ショッピングとか


  行ってないような気がする。」


 グラージュはダイゴにねだるように言った。


 「...分かった分かった。今から出かけるか?」


 ダイゴはみんなに問いかけた。


 「うんっ!!!」


 ダイゴはその後艦内に伝達した。


 「午前11時から午後9時まで


  東アジア共和国内への外出を許可する。


  繰り返す.....」


 「フジヤマ社といえば、


  東アジア共和国で大きな企業の一つで、


  フジヤマグループで防衛軍と名乗るものを作っている。


  しかし、その防衛軍が最近になって、


  東アジア共和国軍の施設や基地を破壊し、


  さらには、無実の市民までもを虐殺しているのだった。


  当然、反論の意見も出るはずなのだが、


  フジヤマ社は東アジア政府を取り込んで、


  立法や行政などを思うままに操ることが出来るため、


  東アジア共和国軍が消えようとしているのである。


  政府が取り込まれる前の首相は射殺されており、


  その近くに身を置いていた大臣なども殺されている。


  現在、東アジア共和国は貿易や


  他の国へ渡ることは許されていはいるものの、


  この先それも禁止になるのも時間の問題だ。


  フジヤマ社は独立国家を作るための礎にしようとしているのだ。


  そこで我々はこれを阻止すべく、決起してクーデターを起こす。


  そのためには何としてもポイズンファングの力が必要だ。


  頼む。何としてでも奴らを倒したい。力を貸してくれ。」

 

 アズマ・ドラフィティは言った。


 「分かりました。そういうことなら協力します。


  敵の戦力はいかがなものなのか分かりますか?」


 「詳しくは分からないが、彼らはTOKYOを本地にしている。


  そこには巨大陽電子砲が建設中だ。


  彼らは基本ライジンガンダム量産型にのり、


  集団戦闘法で戦闘に挑んでくる。」


 「つまり、集団でなければ意味が無いんだな?」


 ダイゴは分かりきった様子で言った。


 東アジア共和国からの


 依頼を受けたポイズンファングは、


 目的地へ到着するまで、


 MSのチェックを行っていた。

 

 ライズ0の両腕部エネルギー砲の補修、

 

 アサシンのコアMSとのドッキング作業、


 デュアルガンダムの火力調整。


 他にも仕事は山ほどあった。


 フォークは多忙のために、


 一時はストレスで倒れていた。

 

 「ポイズンファングにもっとメンバーがいたらなぁ...」


 ダイゴはひとりでボソッとつぶやいた。


 

 翌日に東アジア共和国軍事基地についたポイズンファングは、


 セフィルートの収容をおこなった。


 ダイゴたちはセフィルートから降りた後、


 東アジア共和国軍最高指揮官室に呼ばれた。


 ダイゴがその部屋に入ると1人の男が、


 窓から景色を眺めていた。


 「失礼する。


  依頼を受けた


  ポイズンファングの代表


  ダイゴ・レストだ。」


 その男に向かってダイゴはそういった。


 「君がポイズンファング代表か。


  私が東アジア共和国軍最高指揮官の


  アズマ・ドラフィティだ。」


 男はそういうと依頼の話をした。


 内容はフジヤマ社基地を破壊することだった。


 デュアルガンダムを機動させたサーヴァは、


 OSを機動させ、チェックを行った。


 「Gravity


  Unrelated


  Network


  Delta


  Armament


  Module Complex」


 画面にそう表示され、


 チェックを終えたサーヴァは、


 腰部にある、テールスタビレートを展開させた。

 

 そして、Delta System を発動した。


 すると、機体のカラーが透き通ったような青に変わった。


 その後、基地内で歩行して、


 欠陥が無いかどうかを調べた。


 そして、最終チェックを終えた。


 

 フォークはダイゴたちに言った。


 「これで最終チェックは終了だ。


  まだ他にも隠し機能はあるが、


  チェックは終了している。」


 フォークはそういった後に、


 デュアルガンダムをセフィルートへ格納した。


 

 デュアルガンダムを格納してから3日後、


 セフィルートの補修や、アサシンのコアMS、


 さらにはMSの補修材料の受取を済ませた後は、


 セフィルートは依頼を受けて、


 東アジア共和国へ向けてオーブを出た。


 ダイゴたちは、


 セフィルートをオーブ最南端にある、


 ディルギア基地に格納した。


 この基地はポイズンファングが、


 オーブと契約して設立した基地である。


 ここでは、おもに新機体の開発や、


 機体の補修、整備などを行っている。


 

 そしてこの基地について、しばらくたった後、


 ミーティングルームで新メンバーの出迎えを行った。


 「こんにちは。新しくセフィルートに搭乗することになった、


  サーヴァ・デュオッサ、18歳です。


  整備士のフォーク・デュオッサの息子です。


  みなさん、よろしくお願いします。」


 サーヴァはとても明るい少年だった。


 そして、自己紹介が終わったあと、


 新機体をセフィルートへ格納しに行った。


 

 彼の乗る新機体は「ZGMF-P52S デュアルガンダム 」。


 守備力が高く、砲撃戦にも特化している機体だ。


 彼は、好戦的な性格ではないので、


 基本の戦闘法は、後方で戦艦を護衛することだ。


 彼が入ってくることで、戦闘は、


 より効率よくなることは間違いなかった。


 ダイゴは後から来たフォーク・デュオッサにたずねた。


 「この機体はDelta Systemが発動できるのか?」


 「ああ。これから最終テストをする。


  ブリッジから見学してろ。」


 そして数十分後にサーヴァは、


 デュアルガンダムに乗り込んだ。