「全てを飲み込め」
拳を前へと突き出す。
夏目の方へと。
大きな鏡が二枚合わさった形で現れ、夏目の周りをグルグル回り始める。
夏目は観察するようにそれを見つめていた。
変幻魔鏡。
鏡を創造し、相手の全てを意のままに刈り取る私のオリジナル技。
彼女もいることだから、大してチカラも想像力も使わなくていい。
鏡自体が能力を持つなんてお婆ちゃんは考えなかった筈だから、届くはず!
「鏡を『なかったことに』」
「なっ………」
私はその光景に呆然と立ち尽くした。
夏目は私が作り上げた鏡に触れ、一言喋ると煙のようにその姿が消えた。
私の様子を見て、にっこり笑うとだんだんと近付いてくる。
ふと我に返り、慌てて戦闘態勢へと構えを変える。
武術とか何もやってないけど大丈夫だよね。
多分。