「誰?」
「やあ」
その声に私は入ってきた少年を睨み付け、屋上の柵に背を預けた。
何故ここに。
「遥はどうしたの」
「遥ちゃんなら後で来ると思うよ?
ちょっとお願いしたんだ。
君と話がしたくてね」
私と話がしたい?
何故そんな事を。まあ心当たりはあるけども。
その少年は茶色の髪をなびかせこちらへと歩み寄って来る。
もうやだ。コイツ。
「何の用よ」
あくまで平然に、普通に対応するのよ私っ。
こんな奴に弱みは握られたくはない。
「………君に興味があったからじゃダメかい?」
「ふん、私はアンタに全く興味がないの。
だからまた日を改めて出直してこい」
やっぱり無理だった。
言い方が既に怒っている。
しかし頭はどこか冷静だ。
コイツを私は生理的に拒絶しているらしい。
昔のヤツらと同じ匂いをしているからか。
平凡を装った非凡。
どこか自分とずれている、そんな感じがしてキモチワルイ。
もうなるようになれ。
私は能力を発動させる。
チカラが左腕にまとわりつき、手の中に収束していった。
大丈夫。いける。
狂気と言われたって構わないけど、もう話せない。
相手にはほんとに悪いことをしてるけど、我慢して。