だってクラスの誰かに似ていたら直ぐに思い出すもの。
遠縁で何となく似ているから分からないという可能性も無きにしもあらずだけど。
「うっそだー」
「嘘じゃないって。
でも、どこで見たかまでは分からないんだ」
「そっか。
私と同じか」
なら、分かりっこ無いね。
髪をぐしゃぐしゃかき回してから、大きく深呼吸をする。
ここは病院の6階。
慌てて小声にする。
いや、6階だから話しちゃいけないって訳じゃないけども。
「じゃあ、行くよ」
「りょ、了解」
そこまで緊張しなくてもいいのに。
私たちは抜き足差し足で歩いた。
看護婦さん……今は看護士さん?が通らなくて良かった。
絶対変な人に見られる。
やがて目的の部屋の前に着く。
620号室。
私の友達、鈴香がいる部屋。
私は夏目に振り向き、目の前で人差し指を立てた。
「いい?絶対に何に気付いても大声を出さないこと。
絶対小声で話しなさいよね」
「今くらいの音量でいいのかな?」
「うん」
さあ、いざゆかん。