世界を変えた名演説·名スピーチ72 | 運命の人 2

運命の人 2

ブグ                    ツインソウルとは、もともと一つだった魂がこの世で魂を磨くためにより多くの経験を積んで、魂が進化を遂げるようにするために、この世に生まれる際に二つに分かれたものと言われているそうです。            


◇第45回アカデミー賞は1993年3月27日にロスのドロシー·チャンドラー·パビリオンで授賞式が行われました。助演男優賞受賞者はジョエル·グレイ(キャバレー)。彼のスピーチです。   

★これがとんでもないスリルでないとは、誰にも言えないでしょう。いつでも多くの人々に恵まれ、ここでは全ての人に感謝します。(中略)世界で最高の曲を書いたフレッド·エッブとジョン·カンダー。私はあなた方に感謝します。そして私は我が妻に感謝します。君の全てを愛しています。ありがとうございました。

  ◇キャンディ·チャンはニューオリンズ在住のアーティスト,都市デザイナー。2011年、自宅近くの廃墟を大きな伝言板に改造し,「死ぬ前に私は〇〇したい」と穴埋め式で問いかけたところ,驚くような答えや、感動的な答え,あるいは滑稽な答えが寄せられて,そこはコミュニティを映す意外な鏡となったのです。この《死ぬ前にしたいこと(Before I Die)》は反響を呼び、70か国,1000以上の町で実施されています。彼女のスピーチです。                                                         

★周りの人は様々な形で人生を豊かなものにしてくれるものですが、でも同じ場所に住んでいても皆に行き会えるわけではなく、多くの知恵が受け渡されずに過ぎてしまいます。だから、この何年かラベルやステンシルやチョークのようなシンプルな道具を使い、公共の場で近所の人ともっと多くの事を共有できないものかと試みてきました。それはみんな私の素朴な疑問に端を発していました。例えば近所の人のアパートの家賃はいくらなんだろう とか(笑)間の悪い時にドアをノックすることなく、物を貸し借りのできる方法はないか とか。うち捨てられた建物について皆で思い出を共有し、身の回りの風景をもっと理解できるようにする方法はないか とか。空き家になった店の使い道について皆で希望を共有し,自分達の必要とするものや夢をコミュニティに反映させることはできないか とか。私はニューオリンズに住んでいて、この町がとても好きです。恋人達や酔っぱらいや夢見る人達に何百年も安らぎを与えてきたんです。あの大きな樫の木にはいつもほっとした気持ちになります。絶えず音楽をやる機会を与えてくれる。この町を私は信じています。誰かがくしゃみをするたびに、ニューオリンズでパレードをやっているんじゃないかと思います。(笑)この町にはとても美しい建物がありますが、空き家の数もアメリカで最も多いんです。この家は私の家の近くにあるんですが、これを使って近所をもっと素敵な空間にできないかと思い、また自分の人生を何か永遠に変えてくれるようなものはないかと考えていました。2009年に私は大切な人を亡くしました。ジョーンという名の私にとって母のような人で、それは予期しない突然の死でした。それから死についてよく考えるようになって、自分に与えられた時間をありがたく感じ、自分の人生にとって大切なものが何なのかはっきり見えるようになりました。でも日常生活の中でその視点を維持するのを難しく感じてもいました。日々の些細な事に追われて、大切な物を見失いがちだったんです。それで古い友達や新しい友達の助けを借りて、この見捨てられた家の壁を大きな伝言板に変え、こんな穴埋め式の問いで満たしたんです。                                   


「死ぬ前に私は〇〇〇したい」···通りがかった人がチョークを手にとって自分の人生を振り返り、個人的な望みを公共の場で共有できるようにしたわけです。                                 


 それがどんな結果になるのかは予想もできませんでしたが、翌日には壁がすっかり埋まっていて、さらに広がり続けていたのです。  人々がどんな事を書いていたのかいくつかご紹介しましょう。                               


「死ぬ前に海賊として裁かれたい」(笑)「死ぬ前に日付変更線をまたぎたい」「死ぬ前に数百万人を前に歌いたい」「死ぬ前に木を植えたい」「死ぬ前に自給自足生活をしてみたい」「死ぬ前に彼女をもう一度抱きしめたい」「死ぬ前に誰かの騎兵隊になりたい」「死ぬ前に本当の自分になりたい」この見捨てられた場所が意味を持つようになったんです。皆の夢や希望を見て、すごく笑い、涙を流し、辛い時にも慰められました。自分は一人ではないんだと分かります。近所に住む人達を新たな開かれた目で見られるようになります。振り返って深く考えることを促し、成長し変わっていく中で、 何が本当に大事なのか思い出せる場所を作るんです。これを作ったのは去年ですが、自分のコミュニティにもこの壁を作りたいという熱心な人達から、何百というメッセージを受け取りました。市民センターの同僚と一緒にこのツールキットを用意し、今ではこの壁が世界中に作られています。カザフスタン、南アフリカ、オーストラリア、アルゼンチンその他。もし人々が伝えたい事を表現し, 互いに共有できる方法を用意したなら、公共の場がいかに強い力を持ちうるものかということを示せました。私達の持つ一番大切な物は時間と他の人達との関わりです。気をそらされる要素の多いこの時代にあって、全体を見失うことなく人生がもろく短いことを忘れずにいるのはすごく大事だと思います。死というものは話すのはもちろん考えることすら避けがちなものですが、死に備えることがこれ以上なく力を与えてくれるものだと気付きました。死について考えることは自分の人生をはっきり見せてくれます。私達が共有する場所は個人として、またコミュニティとして、私達にとって何が大切なのかということをより適切に反映できるはずです。そして希望や恐れや体験を共有することで、より良い場所を作り、さらにはより良い人生を歩めるように助け合うことができるでしょう。どうもありがとうございました。(拍手)(大歓声)ありがとうございます。(拍手)(大歓声)