世界を変えた名演説・名スピーチ73 | 運命の人 2

運命の人 2

ブグ                    ツインソウルとは、もともと一つだった魂がこの世で魂を磨くためにより多くの経験を積んで、魂が進化を遂げるようにするために、この世に生まれる際に二つに分かれたものと言われているそうです。            


◇第49回アカデミー賞は1977年3月28日、ロスのドロシー・チャンドラー・パビリオンで開催されました。助演女優賞受賞者はビアトリス・ストレイト(ネットワーク)。彼女のスピーチです。
★これは大ごとです。それに私はダークホースでした。だから、大変感謝しています。(中略)私が共に学んだ偉大な俳優であり、教師でもあるマイケル・チェーホフは、私に劇場への愛と敬意を与えてくれました。それこそが私達全員がここにいる理由です。それは素晴らしい職業であり、私達は常にその事について考えるべきです。そして我々は皆そうしています。(中略)どうもありがとうございました。        ◇アメリカに住む絵本作家のジャレット・クロザスカが子供の頃通っていた小学校に行った時、何と給食のおばさんが苗字を覚えていてくれました。その事に感動し、給食のおばさんがヒーローになるアメコミを作ったら凄いブームが起きました。彼の作品は、どんなに学校給食現場のおばさんが食事以上のものを与えてくれているのかを明らかにし、人がする感謝がどんなに力強いものかを証明しています。彼のスピーチです。                   
★2001年に初めて子供向けの本が出版された時、作家でありイラストレーターになることについて生徒達に話すために、私は母校の小学校に行きました。講堂でもある食堂でプロジェクターを設置している時、部屋を見渡すとそこに彼女がいたのです。あの当時の給食のおばさんが。彼女はまだ学校にいたのです。そして忙しそうにその日のランチを準備していました。そこで彼女に近づき挨拶しました。「こんにちはジニー!元気?」すると彼女は、私を見て見覚えがあるのは確かだけれど、私が誰なのか全く思い出せずにこう言いました。「スティーブン・クロザスカね」。クロザスカと覚えていたのは驚きでしたが、スティーブンは20歳年上の私の叔父です。そして叔父が子供の頃も、彼女は給食のおばさんでした。彼女は自分の孫の話をし始めました。これには心底ぶっ飛びました。(笑)給食のおばさんには孫がいる。ということは子供がいる。ということは仕事が終わったら学校を出て行くのだ。彼女はお玉を持って食堂に住んでいる、とばかり思っていました。それまで何も考えたことがなかったのです。この偶然の出会いが私の想像を掻き立てました。そして魚のフライのヌンチャクを使って、悪者のサイボーグやスクールバスの怪物や突然変異のお化けと戦う、給食のおばさんを漫画にしたランチレディグラフィック小説シリーズを作ったのです。                              

そしてどの本でも彼女達は最後にヘアネットで悪者を捕まえ、「正義を召し上がれ!」と宣言するのです。 

(笑)(拍手)このシリーズが子供の本の世界に大いに歓迎されたのは驚きでした。子供達は驚くほど楽しい手紙や、カードや絵を送ってくれました。そして学校へ行くと、給食の食堂スタッフの方達は私の企画にとても有意義に参加してくれるのです。アメリカ中のどの給食のおばさんも同じ事を言うのです。「私達みたいな者をスーパーヒーローにしてくれて有難う。」彼女達はずっと一般社会ではあまり大事に扱われていなかったからです。                                               

でもこれはジニーにとって最も意味がありました。本が初めて出版された時、彼女を刊行記念パーティーに招待しました。そこにいる、何年も彼女が食事を出し提供し続けた皆の前で、私は1枚の絵と何冊かの本を贈りました。この写真を撮った2年後に彼女は亡くなりました。                   

 そして彼女の通夜に行き、そこで見た物に声を詰まらせました。彼女の棺の横にはこの絵があったのです。     

彼女の夫はこう言いました。私が彼女の勤労を認め、彼女がした事の価値を確認したのは、彼女にとってとても意味のあることだったと。それを機に食堂での気持ちを再現出来る日、スクールランチヒーローデイをアメリカ中に設けました。け。?    
その日子供達は食堂のスタッフ達のために創意に富んだ企画をするのです。私は学校栄養協会と手を組みました。皆さんは3千万人を少し越える数の子供達が毎日学校給食を食べているという事を知っていましたか?つまり毎年50億食を少し越えるランチが作られていることになります。ヒーローの物語は単に子供がトレイにチキンナゲットを少し余計にもらうに留まらず、それを遥かに超えた広がりを見せています。カリフォルニアのブレンダさんは、列に並ぶ全ての子供達を注意深く見守り、何か不都合があったらカウンセラーに報告しています。ケンタッキーの給食のおばさん達は学生の67パーセントが毎日の食事を給食に頼っており、夏の間中、食事抜きでいる事を知り、スクールバスを改造して移動可能な調理場を作り付け、夏の間一日500人の子供達に食事を与えて車で走り回りました。そして子供達がとても素晴らしい企画をしました。やるだろうとは思っていました。彼らは工作用紙でハンバーガーのカードを作りました。               
     自分達の給食のおばさん達の顔写真を撮り、漫画のランチレディの顔の上に貼り、それを牛乳パックに取り付け、花を添えておばさん達に贈りました。                                                            

                                                       
                                 

又、実際の自分の給食のおばさん達の横に、漫画のランチレディを配した自分達独自の漫画を作りました。又、サンキューピザを作り、子供達全員が工作用紙で出来ているピザに、それぞれ違うメッセージを書いたトッピングをしました。                                
私は給食のおばさん達からの反応にとても感銘を受けました。ある女性が私にこう言ったのです。「この日まで私はこの学校の隅っこの惑星にいるような気がしていました。誰も私達には気づいてくれないんだろうと思っていたのです」別の女性はこう言いました。「そうね、この企画から分かったのは、自分がやっている事は大事だっていう事ね!」                   

もちろん彼女がしている事は重要です。彼ら全員が大切な事をしているのです。彼らは毎日毎日私達の子供に食事を与えてくれているのです。               

子供は学ぶ前にお腹を満たす必要があるのです。給食のおじさん達もおばさん達も、教養のある社会を創り出す為に前線で働いているのです。だから私はこう願っています。スクールランチヒーローデイなどを待つことなく、食堂のスタッフ達にありがとうが言えれば良いと。そして心に留めてほしいと思っています。感謝する事がどれほど大きな力を持つことが出来るのかを。感謝は人生を変えることができます。感謝はそれを受け取る人の人生を変えます。そして感謝はそれを表現する人の人生を変えるのです。有難うございました。(拍手)(大歓声)