世界を変えた名演説・名スピーチ68 | 運命の人 2

運命の人 2

ブグ                    ツインソウルとは、もともと一つだった魂がこの世で魂を磨くためにより多くの経験を積んで、魂が進化を遂げるようにするために、この世に生まれる際に二つに分かれたものと言われているそうです。            

◇第59回アカデミー賞は、1987年3月30日にロスのドロシー・チャンドラー・パビリオンで開催されました。監督賞受賞者は、オリバー・ストーン(プラトーン)。彼のスピーチです。                                             
★(中略)私はこの賞が認めたのは、ベトナムの兵役経験者だと思っています。そして第一に、あなた方はそこで何が行われたかを語り、あなた方が理解してくれたと考えています。そして私は我々の生きている間に、それを二度と繰り返さないとあなた方が言ってくれたと考えています。もしそれが起きるなら、アメリカの少年達の死は無意味となります。なぜなら、アメリカはベトナム戦争から何も学んでいないことになるからです。                                 ◇アシュリー・グラハムは、フォード・モデルズ(英語版)を代表するブラスサイズモデルです。彼女のスピーチです。              

★(舞台に設置してある鏡を見つめて)あなたは勇敢だし才能もある。そして美しい。あなたのような女性は他にいないわ。あなたには実力もある。背中のぜい肉は、今日はブラの上にのっかってるけど問題ないわ。あなたを愛することにするわ。そして太もも、とにかくセクシーね。こすり合わさずにはいられないのね。(笑)それでも大丈夫、手放さないから。そしてセルライト、忘れたことはないわ。あなたを愛することにするの。お尻の半分を占めようとしているみたいだけど。私の一部だもの、愛しているわ。これは私の正直な気持ちです。社会の求める狭い枠に収まらないと決めてから、自由を感じるようになりました。見た目によって「完璧さ」を定義する産業が求めるほどの、「完璧」には私は決してなれませんでした。でもそれでいいのです。ぜい肉も体の丸みもセルライトも全部、自分の全てのパーツが大好きです。私の名前はアシュリー・グラハムです。モデルであり、ボディアクティビスト(肉体活動家)です。この15年間で完璧な体型というものは存在しない、という結論にたどり着きました。私にも皆さんと同様、素晴らしくユニークで他人とは違う肉体があるからです。現在のファッション業界は私を「プラスサイズ」と分類するかもしれません。ですが私は「マイサイズ」と捉えるのが好きです。知ってましたか?プラスサイズファッション業界はアメリカの8号(M)サイズから始まるんですよ。そして16号(XLサイズ)まであります。つまり私が言っているのは、今この会場にいる大部分の人がプラスサイズと見なされるということです。そう分類されてどう感じますか?私が強く感じているのは、プラスサイズモデルという枠組みにとらわれず、2015年現在モデルとして活動する意味に目を向け始める必要があるということです。ここまでの道のりはネブラスカ州リンカーンから始まりました。12歳の時ショッピングモールでスカウトされました。13歳で大手モデル事務所と契約し、世界中を回りました。大きなキャンペーンに起用されたりで、高校も卒業しないうちから、すでにたくさんの国を訪れていました。17歳の時に卒業してニューヨークへ移りました。ほとんどの若者が大学で自分探しのステージにいる間、私の自分探しのステージはランウェイやカタログ、オーディションでした。私はプラスサイズモデルとしてフルタイムで働いていました。故郷のネブラスカでは「太ったモデル」として知られていました。体の大きな女の子にしては可愛い女の子でした。(中略)さて、こちらはYMマガジンに載った私の初めての記事です。読んで字の如く「メロンサイズの胸」と書いてあります。私は15歳にして、アメリカ中の女性が巨乳を着飾るのを促進していたのです。でも、学校の子にまず何を指摘されたと思いますか?見てすぐ分かることの他にです。それは膝の上の「段々」でした。脂肪が段々になっていたんです。若手モデルとしての私の自信は砕け散ってしまいました。私は本当の自信をつけようと奮闘しました。家に帰って鏡の前に立っては、映る姿に嫌悪感を覚えるばかり。虚しさを埋めるために様々な悪習に出会うがまま手を出し始めました。夜遊びや(中略)お酒にうつつを抜かしながらも、自分自身を愛したい、他人に認められたいという願望はありましたが、現実では自分という人間を好きになれず、体重の自己管理もできていませんでした。私は自分の劣等感に正面から向き合い始めましたが、結局は一時的な快楽で日々を満たしていました。私も多くの若い女性と同様、なかなか自分自身を愛せずにいました。「美しさ」に関するダヴのレポートには、実際10カ国で数千人の女性を対象に行われた調査が登場します。調査結果の中で最も際立っていた内容は何だと思いますか?自分のことを美しいと感じる女性は全体の2パーセントだということです。2パーセントですよ!私達は力を合わせ、世界的な視野で美しさを再定義する必要があります。まずはあなたが自分自身のロールモデルになることです。ぽっちゃり体型の女性はマリリン・モンローやジェニファー・ロペスを尊敬するに違いないと思われるのは、主に2人が世間からふくよかさを賞賛されている…最も有名なぽっちゃりした女性だからです。でも2人は私のロールモデルではありません。実のところ、私が最も尊敬する女性は母です。母は私のことを美しいと言うものの、自分で自分を卑下することはありませんでした。なのに私は何故?母はこう言って教えてくれました。本当の美しさは内面から滲み出るもので、承認や自己肯定も内面から生まれなければならないと。劣等感に苛まれたどん底の時期に私が初めて気付いたのは、自分の体や体のイメージを自分のものとして取り戻さなくてはならないということです。ブラスサイズファッションは180億ドルを生み出す産業です。今や世界一のモデル事務所であるIMGが、サイズの枠にとらわれない私や他のモデル達と契約を結びました。私の自信と同じく、私の体もきちんと理解していない人達から粗探しされ、操られ、支配されていました。自分の体を自分のものとして取り戻せるようにならなければなりませんでした。その過程の中で、自分には女性としてもっと大切な目的があると理解しました。それは美しさを見直すということです。女性としての美しさです。ぽっちゃり系のモデルは「プラスサイズ」という言葉が持つ差別性について、これまで以上にはっきり発言するようになりました。そして自分達を自分が呼ばれたいように呼んでいます。「自分自身のスタイルを持つ女性」と美しさはサイズを超えるのです。体型や外見が過大に重視される世の中では、誰もが心の中でもがき苦しんでいるのも無理もありません。実際ファッション業界の人から私が雑誌に出たり表紙を単独で飾ったりするのは、絶対無理だと言われました。でもそれは間違いだと証明できたと思うんです。1年足らずで雑誌の表紙を5回飾りました。さらにSports  Illustrated  Swimsuit  Editionの水着特集にぽっちゃりモデルとして初めて抜擢されました。(拍手)ありがとうございます。「あなたにはできない」なんて誰にも言わせてはいけません。私にはできたし、今でも一見不可能な目標を達成し続けています。私の目標は若い女性に発言力を与えることです。尊敬する人を見つけようともがいている若い女性に、言葉を発する力を与えたいのです。鏡の中の自分を見て「愛してる」と言うことができない女の子達のために、自分の中にしまい込んだ自信を人に見せるのを躊躇している女性達のために、自分が持つ権利を他人に渡してしまった女性達のために、男女共に体型にポジティブな意識を持てる環境を作り出すことが肝心なのです。あなたが大切に思う女性達を引き上げてあげましょう。体や美しさを安心して表現できる場所を作りましょう。他の誰かのためでなく自分自身のために 、自分自身になりましょう。正直に本当の自分になりましょう。あなたがなりたい女性になりましょう。他の誰かにその役割を渡してはいけません。今や様々な体型が活躍する時代であることを忘れないで。世の中の風潮は変化しています。会場の皆さん、♯TED×BV15タグを付けて自分へのほめ言葉を発信してみてください。今日は皆さん一人一人の前に鏡はありませんが、鏡の前の自分に向かって何を言いたいかを考えてみてください。自分で考えた自分に対するほめ言葉で。ありがとうございました。(拍手)(大歓声)