あたしの見舞って逝った叔母正月に見舞った叔母が逝った。 あたしもたいがい呑める方なンだけど, 学生時代のあたしに呑み勝つ酒豪だった。 葬儀に参列するため,郷里に帰って驚く。叔母が逝ったその前日に, その叔母の娘,つまりあたしの従姉妹が出産していたのだ。 「待ってたンやろねー」と,誰もが囁きあう。 ケータイ小説並みねと思われるだろうし,あたしも思ったし, でも,実際におこってしまうと,その事実は, あたしのようなオカマにも, 人知では計り知れない何かがあると感じさせてしまう,そんな強力さだ。