あたしの胸の痛みなビョーキ | オカマな毎日

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小声で教えてあげる。

突然,突き上げるような胸の痛みを感じ,動けなくなる。
初めて感じる痛みだ。
しばらくすると引いたものの,痛みは断続的にやってくる。若干の吐き気も催す。
さすがに気持ち悪くなって,オカマなドクターに電話して,症状の仔細を説明する。
「狭心症か食道炎のようね」
「振れ幅大き過ぎね?」
「そんなもンなの。明日速攻で大きい病院を受診すンのよ」
で,あたしは,改装中の市民病院にいる。
ここは,町医者からの紹介状が無い場合,
初診料1570円をふんだくるンだけど,設備は抜群にいい。検査結果も即日に分かる。


病院て所には,病気や怪我の人が来てるわけで,ハッキリ言って余裕のない奴ばかりだ。
そういう訳で,人の正体ってもンが,身も蓋もなくあからさまになる。
豪華な指輪をはめた,あたしの隣の老夫人は,待ちくたびれ,
ついには「薬だけでも」と,制止する看護婦を押し退け,医師に直談判を始めた。
他にも待ってる患者はいるンだけど,彼女の眼には映らない。
もちろん,そんな年寄りの我儘が通用するはずもなく,
苛立つ彼女はカタカタカタカタと貧乏揺すり・・・
かと思いきや,鳴らし始めたのは入れ歯だ。不快指数が急上昇する。
もっとも,あたしもすでに2時間待ち。
一番大変なのはドクターと分かっていても,さすがに毒づきたくなる。


幸い心臓は異常なし。多分,食道炎。
胃酸の逆流が疑われるそうな。数日,酒を断つことにする。
制酸剤のおかげかしらね,痛みは大分治まってきた。