あたしの夕凪の街なこうの史代 | オカマな毎日

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小声で教えてあげる。

夕凪だ。
この街の夕凪は長い。
枝先の葉が,そよとも揺れなくなる。
週末の雨を含んだ路面は,生暖かい空気を垂直に立ち昇らせ,
それはまとわりつく。あたしの身体にまとわりつく。
背中に浮かんだ汗は,乾く気配がない。
若い親に連れられた子供の嬌声がひどく耳に障る。
こんな日は生ビールだ。
独りでジョッキを一気飲みし,焼き鳥を喰らうのが正解だ。

先行ロードショーをカレシと観る。
『夕凪の街 桜の国』(http://www.yunagi-sakura.jp/
脚本がよく書けてたと思うだけに,
細かい演出がイマイチなのは残念だったわね (-。-)y-゜゜゜
麻生久美子って普通に大根だし。
でも,カレシは泣いてた。もっとも彼は,
『タイタニック』を観たときも泣いてたけどね。
あたしの涙腺が緩んだかどうかはナイショだ (*^。^*)

改めて,「こうの史代」の原作の凄さを思い知る。
この重厚なテーマのもと,人の生の機微を100に満たない頁数で描き切った,
そのことに戦慄したクリエーターは多い。