〜DAY17〜
AM2:00
僕がいる閉鎖病棟は、救急車で運ばれてくる患者を受け入れる窓口も兼ねていた。
大体が昏睡状態か、逆に興奮していてタンカに縛りつけられて身動きがとれない状態で運ばれてくる。
昏睡状態の患者は、おそらくODとかだろう。
※overdose(オーバードース)=過量服薬
勿論、日中よりも深夜(消灯時間後)に運ばれてくるケースが多く、騒がしい為、眠りは基本的に浅い。
それに加えて1.2時間に1回くらいのペースで看護師が巡視にやってくる。
この日もいつも通り浅い眠りの中、寝ていると僕の部屋(個室)の扉がスライドする音がした。
巡視か…
それから10分くらいだろうか。
いや、もっと経っていたかもしれない。
なんだかずっと違和感を感じる。
少し腰を上げてベッドの足下側にある扉のほうに目を向けたその時だった。
えっ…
おい…
おいおい…
扉の横(室内)に置いてあるパイプ椅子に人が座っていたのだ。
人間は、本当の恐怖を感じると意外と冷静になるのかもしれない。
そして、部屋に誰かいるといったシックスセンス(第6感)的な人間の危機管理能力にもビックリする。
僕は、声を上げる訳でもなく、すぐにベッドの上の小さなライトを付けて確認した。
たしかに女性が僕に背を向けて椅子に座っている。
続く
