〜DAY7〜



院外への外出に少なからず僕も心が踊っていた。


連れられるがままに閑静な住宅街を一切の迷いなくすり抜け、病院から徒歩15分圏内にあるスーパーへと向かう。



季節は、春の陽気が本格化していて長袖を着ていると少し汗ばむほどだった。



スーパーに着くと一回り年下の夏帆が得意げに入院生活での必需品を紹介してくれた。


皆んな、病院食の薄味にうんざりしていて調味料を買って自分流にアレンジしているみたいだ。



勿論、生物は厳禁だが最低限の醤油やソース、味塩などは、看護師も黙認している。



そして、自分の買い物が終わって皆んなのところへと向かうと何やら真剣な顔をして惣菜コーナーを凝視していた。



唐揚げなどの惣菜を1人一品ずつ買って今日の夜に皆んなでシェアするらしい。

※勿論、病院的にはNG



僕も、自分の物をピックアップした後に今日のお礼にと大きなトンカツを買った。



その後は、ドラッグストアに寄って80円のペットボトルのお茶を5本ほど確保し、重い荷物を抱えながら病棟へと戻った。



途中途中でやっぱり酒売り場へ目がいったが、皆んながいたおかげでただただ楽しい外出になった。



酒を飲まないお出掛けなんて、いつぶりだろうか。



帰り途中にあるロイ○ヤルホ○トを皆んなで見つめ、




「今度、皆んなで行きたいねー!」




「俺は、ハンバーグだな!」




「私は、パスタにデザート付ける!」




なんて話をしながら病棟へと戻った。



本当に楽しかった。



年齢も違えば、容姿的にも今までの僕であれば、絶対に交わらないであろう人種と見栄も張らず、素直に会話できていることに徐々に心が洗われていく。



依存症を回復させることは勿論だが、「人として」自分を見つめ直す良い機会になったんだ。



続く