読書感想文? | Color Raiz

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Travis Japanへの愛を垂れ流してマス☆

 
今日はものすごくいいお天気だったので、
衣装作りを中断して近所の河原にランチがてら散歩しに行きました。
さくっと帰ってくる予定が、なりゆきでフリマやら本屋やらに立ち寄ることになり、
さらにそこでかなり久しぶりにどうしても読みたい本に出会ってしまって、
少し立ち読みしたらもうダメ。
そのまま買って帰り、作りかけの衣装にミシン針が刺さった状態のまま一気に読みました。
そして今も、感想を残しておきたくてこうしてブログを書いています(笑)。


本のタイトルは「羊と鋼の森」。
本屋大賞という帯がついています。
テレビでも紹介されていて話題になっていました。
ピアノの調律師の道を選んだ青年のお話なのですが、
音楽というか、楽器が好きな人は楽しく読めると思います。
駆け出しの職人のドキュメンタリーのようでもあり、
NHKのプロフェッショナルを見ているような気分にもなりました。
主人公の、不器用ながらも自分の中に生まれた感覚を信じているところが
私自身と重なりますが、彼ほどの素直さ、勤勉さ、情熱は今の私にはありません。


フラメンコを始めてからスペインに行くまで、時にまわりが引くくらい(笑)熱かった私。
それが年を重ねていろんな経験をしていくうちに、
だんだんとフラメンコに対しての温度が下がっていきました。
とは言え、常に微熱以上はキープしているし、今でもグッと熱くなることはあります。
ただ、四六時中フラメンコのことばかり考えているような熱はなくなりました。
人としても踊り手としても未熟だったので、戻りたいとは思わないけど(笑)、
あの頃の熱さがほしいなあなんて思っていたところにこの本に出会ったわけです。


主人公の清々しい情熱は、少しずつ彼を育てていきます。
そうだ、何かを成そうとするとき一番エネルギーになるのは情熱なんだと気付かされます。
情熱ってたぶん何かに感動するところから始まっていると思うんですが、
若いうちは感動しやすいし、自分の可能性を信じる気持ちも強い。
私は成熟した人間になりたいとずっと思い続けてきましたが、
ちょっとうざいくらいだった昔の自分の方が、いっぱい感動していたし理想もあった。
良くも悪くもハートが強くなって、そう簡単には感動できなくなり、
身の程を知ってしまった今、情熱が湧いてこないのは当然なのかもしれません。


でも、この若くまっすぐな主人公に感情移入しながら読んでいたら、
自分の中に残っている感動の記憶や、少しずつでも進化できている現実を膨らませて
熱い気持ちで好きな道を進んでいきたいと思えました。
持続させるのはまた難しそうですが(笑)、本を読み返したり、このブログを読み返したりして、
「情熱のパワー」(くさいな笑)を忘れないようにしたいです。